• "埋蔵文化財調査"(/)
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  1. 宮城県議会 2022-06-01
    06月23日-03号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年  6月 定例会(第384回)          第三百八十四回宮城県議会(定例会)会議録                              (第三号)令和四年六月二十三日(木曜日)  午前十時開会  午後三時一分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    外崎浩子君出席議員(五十八名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  高橋 啓君      第二十九番                  遠藤伸幸君       第三十番                  横山のぼる君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  吉川寛康君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  佐々木幸士君      第四十八番                  高橋伸二君      第四十九番                  菊地恵一君       第五十番                  佐々木喜藏君      第五十一番                  石川光次郎君      第五十二番                  中島源陽君      第五十三番                  本木忠一君      第五十四番                  中山耕一君      第五十五番                  安藤俊威君      第五十六番                  畠山和純君      第五十七番                  仁田和廣君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    千葉裕一君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      委員長                    山口哲男君      警察本部長                  猪原誠司君      総務部長                   佐藤孝治君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     成田由加里君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      総務課総括課長補佐              堀 喜昭君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第三号                令和四年六月二十三日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百十三号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第二十八号第三 一般質問  〔仁田和廣君、大内真理君、庄田圭佑君、わたなべ拓君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百十三号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第二十八号三 日程第三 一般質問      〔仁田和廣君、大内真理君、庄田圭佑君、わたなべ拓君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、三十二番遠藤隼人君、三十三番渡辺勝幸君を指名いたします。----------------------------------- △議第百十三号議案ないし議第百三十二号議案 △報告第二十五号ないし報告第二十八号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第百十三号議案ないし議第百三十二号議案及び報告第二十五号ないし報告第二十八号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。五十七番仁田和廣君。    〔五十七番 仁田和廣君登壇〕 ◆五十七番(仁田和廣君) 皆さん、おはようございます。大綱二点につき、一般質問させていただきます。 第一点目は国土強靱化予算であります。私は、既に壇上でも三回、四回、国土強靱化予算の必要性をお話いたしました。先日も、内閣府の参事官にお会いしました。彼は国土強靱化推進チームのリーダーですから、今後どういうふうになるのかということを含めてお話を伺いました。その時には、まだ十五兆円のうち八兆円が残っているということでありまして、まだまだ使いでがあるなと。知事、僕らもおかげさまで長年議員をやっていますが、県の予算の規模では全然できなくて、残っている懸案がいっぱいあるのです。その点から考えると、自己負担分もほとんどない、あとはいろいろな支援もある、そういうことですから、大いにこの国土強靱化予算を使うべきだと思うのです。その内閣府の参事官に私が会ったときの県の企画部長は、現在の志賀総務部長でした。そのときに、宮城県としてどういう予算が必要であるか、つまびらかに図表に出してくれと依頼し、出していただきましたら約一千億円でありました。今から述べる河川の部分や港湾に関しての書類を内閣府の推進チームにお見せしたら、すばらしいと。これを全国的な国土強靱化予算の推進に使わせていただくということでありまして、おそらく宮城県からいろいろ要求というか内容が出たら、それに準じて今後進められると思うので、知事、前向きにやっていただきたいと思います。 まず一つ目は、河川であります。 御案内のように、県内のほとんどの河川は、おそらく百五十ミリを越す集中的な降雨だと、あふれてしまうのが現実であります。しかし、護岸の改修を含めてなかなか進んでいないのが現実です。今、河川の年間の維持管理費は、たったの二十億円しかないのです。そういう意味からいうと予算が必要であろうと。私の地元の七北田川、おかげさまでこの国土強靱化予算も使いながら、大分護岸整備をやりました。大体五十センチメートル高くして、もちろん支障木や中の土砂の採取は全部終わっていますから、それも含めてやりました。効果がてきめんです。ただ、七北田川も上流域なり、大内議員がいつも言う中流から下流の部分がまだまだなっていません。それから、その他の河川、例えば阿武隈川、今、国の事業でもやっていただいていますけれども、やはりかさ上げ事業というのは絶対必要です。七北田川の上流、下流、それから吉田川、模様替えをやっておりますけれども、いずれこの川も下流域に行くとだんだん狭まる川なのでまだまだ危ない川であります。それから、いつも注目しているのが熊谷議員の地元の迫川です。大体全域を整備すると一千億円かかると言われているのです。あそこは一迫、二迫、三迫と、下流域も相当長い。それで護岸も低い。相当あふれる。ここは、護岸の整備を含めて、知事、土木部長、本気になって国土強靱化予算を獲得して、やるべきだと僕は思います。 それから二点目は、港湾であります。 先般、私は、オーストラリアに行きました。オーストラリアのブリスベン港を見てきましたけれども、あの港の立派さから見ると仙台港はまだまだです。そして、あそこはアーストラストやグリーンピースなどの環境団体とうまくマッチして造っている護岸なのです。そういう意味では、護岸の整備というのは大変大事です。向こうのバイヤーにも言われましたけれども、ぜひオーストラリアと宮城県の仙台港を結んで、大型コンテナを入れたい。この大型コンテナも卵が先か鶏が先かではないのです、港湾は。先に整備をしなければ進みません。ですから、例えば十八メートルの護岸のしゅんせつをして、そういう大型コンテナを入れられるようにする、その辺も大事です。今、宮城県の仙台塩釜港は、特に仙台港区はいよいよ港湾計画の改訂時期が迫っております。私がいつも提唱している国際戦略港湾、全国には四港しかないのです。神戸、大阪、横浜、川崎と。実は名古屋も入っていたけれども、残念ながら名古屋はコンテナ船が少ないために国際戦略港湾から外れております。今がチャンスなんです。東北・北海道で大体全域で百万TEUぐらい集め、あとは車、それから一般、バルク貨物を含めた貨物を増やせば、明らかに方向性としては出てきます。私は国土交通省と既に、何回か折衝をしながら、お話をしております。ぜひ港湾も前向きにやるべきだと思います。それから、後段でも言いますけれども水素ステーションについてです。例えば天然ガスや石炭のほうに、全世界は今はもう向いていないのですよ、もう水素をやろうと。ところがオーストラリアは、地下資源で天然ガスも石炭も豊富に出るのです。グリーン水素を出そうということで、あそこの政府は前向きです。今インドと韓国が物すごく触手を伸ばしていますから、後段でも言いますが、知事、その辺も考えてください。それから、港湾の大事な方向としては、例えば仙台港のプレゼンスを言えば、東南海、また東京近辺で首都直下型地震がもし起きますと、やはりハブ港とか支援港として仙台港が改めて見直されるわけです。そのときこそ耐震バースをがっちり整備し、そして、そういう船がどんどん入れるようにするべきだと思うのです。皆さん、御案内のように、宮城県内の総生産における港と空港を比べますと、金額でも港湾が九七%なのです。だからといって空港が要らないとは一言も言っていません。空港も大事ですが、しかし港湾を整備することが宮城県の発展にどれだけ貢献することか。知事、この間、宮城県内の総生産十兆円をやっと達成したと喜ばれてましたが、この港湾を整備することによって、例えば国際戦略港湾になり、コンテナの増量、バルク貨物の増量をすることによって、十兆円、二十兆円というのもそんなに難しい問題ではなくなるのですよ。知事、あまりびっくりしないでください。港湾の整備は大事ですから、いろいろやらなければならないと思います。頑張りましょう。 それから、先般、我々は建設企業委員会で大崎市を訪問いたしました。大崎市の麓山浄水場です。私が入ってびっくりしたのは、事務所の老朽化、それに検査施設の老朽化です。それからもう一つびっくりしたのは、バリアフリーの施設が何もないことです。例えば、三階に上がる場合に車椅子の方が全然上がれません。企業局も障害者の雇用については分かっていると思うのですが、やはりあのような施設ではもう遅いのですよ。ですから、県内各所、麓山浄水場より古いところがあると聞いてますので、逐一、この国土強靱化予算を使いながらやるべきだと思いますが、どうですか。それから、本庁舎や付属の庁舎を含めて行政庁舎には、おそらくエレベーターはあると思うのですが、障害者の雇用もだんだんと進めなければならないとなれば、エレベーターだけでは足りないので、今後つくる場合には、スロープやそういうものも完全にマッチするようにしないと駄目なので、全体的にこの国土強靱化予算を使いながらも、バリアフリー化をやるべきだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 それから、農業関係、農地整備事業もなかなかここ何十年と進んでおりません。しかし、もっと進んでいないのがため池事業、それからポンプ事業です。ポンプ関係は、みんな遅れていて、各土地改良区や農家の皆さんから相当声が出ているので、やはりこれこそ国土強靱化予算を使いながら整備を進めるべきだと思います。 それから、水産もです。漁港漁場整備事業等々全く進んでいないのです。それも、やはり抜本的に見直すべきです。それから、思い出されるのは、もう数年前に途切れてしまいましたけれども、松島湾内で松島湾リフレッシュ事業というものをやりました。当時の建設省や農林省、それから総務省--当時は自治省ですね。そういうところが一緒になって、松島湾の作澪から何から松島湾リフレッシュ事業をやったのです。先般、ニュースを見ておりますと、地震等で大分隆起したりしていて観光業者が通れない水路がたくさんあるということを伺ってます。この国土強靱化予算を使って、大いにそういうところも整備するべきだと思いますので、いかがでしょうか。 それから、前は教育庁関連で質問しましたけれども、今回は県警本部についてです。県警本部の懸案は、やはり信号なんです。議員の皆さんも要望しているところがたくさんあると思うのですが、今大体五百基ほど造ろうということで予算の要求があるものの、毎年二十本、三十本程度では、五百基までいくのに二十年も三十年もかかります。国土強靱化予算ですと、補助事業、直轄事業でできます。私も調べましたら、おそらく二十億円から三十億円の予算要求をすれば信号を整備できることは確実です。それから、各署で取り組んでいることは僕も理解しているのですが、塩釜警察署に行くと、エレベーターも、スロープもないので、二階、三階まで上がれない。何とか進めて、所轄のほうもやらなければいけないと思うので、前向きな回答を願いたいと思います。 それから、大綱二点目です。二点目ですが、実は先般、私、オーストラリアに行ってまいりました。四月二十三日出発で五月二日に帰ってまいりました。その主な目的は三点あります。一つは、キャンベラにある日本の大使館を訪問して、山上大使という外務省でも有名な大使の方ですが、その方にお会いしました。クアッドという日本、インド、オーストラリア、アメリカが組んで、言わば、あまり言いたくないですが敵の敵は味方のような感じの部分もあるのかなと思いますが、いずれ大変いい関係なのです。知事、知っていますか。戦争のときにオーストラリアは発足以来、外国から攻められたことがないのです。しかし、旧日本軍が攻めて二百人ぐらいの兵隊を殺傷しているのも事実です。ですから、なかなか環境が整わなかった。しかし、今が絶妙な環境です。私が要望したのではないのですが、キャンベラに着きましたら大使館から公用車を出していただいて、そして食事もごちそうになり、そのとき大使からいろいろなお話をしていただきました。実はオーストラリアの首相が東日本大震災の後、南三陸町に慰問に来ているのです。それで、その結果、日本政府でも勲章を授与しているわけです。ところが高齢になって、なかなか行けないというので、オーストラリア首都キャンベラにある大使館で授与式をやったそうです。ですから、宮城県も関係しているのです。山上大使は何と言いますか宮城県のことをよく知ってまして、お酒を出していただいたときに宮城県内の勝山のお酒などが出たり、いろいろなユニークな話が出ました。私は、知事の親書も持っていきましたけれども、おそらく知事が自ら行けば大歓迎を受けますよ。そして、今が宮城県の地産品を売る良いタイミングなんです。オーストラリアでもシドニーでもブリスベンでもゴールドコーストでも、今、日本ブームが起きていますから。今回、私は、宮城県漁協から依頼を受けてノリを持っていきました。県漁協のノリは、僕から言えば日本でナンバーワンのノリですから、それを食べていただいて、また、日本レストランなどに紹介したりしました。それから、塩竈市の地産品である練り製品と水産の加工品も持っていき、「いいですね」と大使からも良い評価を受け、シドニー市内のレストラン等々でもいろいろお披露目いたしました。今がチャンスです。知事は、あまりしたことがないのかもしれませんが、こういうときこそ外遊を。知事は、大阪府出身なので、宮城県を冷静に外から見ることができますから。私は、それは物すごく良いと思います。僕らですと、考えが凝り固まっていますから、こういうものだとしか理解しないので。先ほど申し上げたブリスベン港は、パリオリンピックの後にオリンピックが開かれる場所です。ブリスベン港を造る方法、先ほど披露しましたように、よく考えてみてください。宮城県の食材を売るにも大型コンテナ船が必要ですし、ぜひ自らも行って大いに調査して、そして宮城県の発展のためにオーストラリアとがっちりタッグを組んでやるべきだと思います。 宮城県の地産品が二点目、三点目が水素ステーションです。今、全世界的には、CO2が関係しないグリーン燃料が注目されています。前にも私は提言しましたが、早めにグリーン水素を仙台港にと。もちろん気化された水素では危なくて運搬が難しいのですが、液化して冷やして持ってくれば安全です。例えば仙台港の近くですと東北電力のLNGの火力発電所があります。それから、宮城県にはトヨタ自動車株式会社が進出しております。私の考えでは、そういうところにエネルギーとして水素を供給する、また、今のガソリンスタンド程度イワタニ水素ステーション宮城仙台どころではなく、もっと全社に供給できるぐらいのものを。そして、将来的には東北・北海道を宮城県が基準になってやるぐらいの考え方が僕は必要だと思います。水素ステーションに関しては、既に世界各国が手を挙げてますから、そういう意味では大いに前向きにやるべきだと思います。以上三点の大きな目標を持ちながら、オーストラリアに行ってまいりました。一言御礼を言いたいのは、ジェトロのシドニーの支店長に大変お世話になり、バイヤーを何人も紹介していただきました。知事が行った場合には、よりよくなると思うので、ぜひその辺も前向きにやってください。 壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 仁田和廣議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問にお答えいたします。 初めに、全庁一丸となった取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、相次ぐ自然災害に応じた国土強靱化の取組が喫緊の課題であることから、昨年三月に策定した第二期宮城県国土強靱化地域計画に基づき、国の施策・予算に関する情報共有を図りながら、国土強靱化の取組を全庁的に進めております。今月十七日には、私が内閣府など関係府省の大臣等を訪問し、災害に強い県土づくりの実現のため、防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策の予算の確保について、強く要望したところであります。県といたしましては、今後とも全庁一丸となって、県土の更なる強靱化に向けてしっかりと取り組んでまいります。 次に、河川の護岸整備についての御質問にお答えいたします。 県では、人口や資産が集積する河川や水害常襲河川など、流域や河川の特性等を踏まえ、計画的に河川整備を進めてきたところであり、現在、令和元年東日本台風を契機に策定した、新・災害に強い川づくり緊急対策事業アクションプランに基づき、特に大きな被害を受けた内陸部の河川を中心に重点的かつ集中的に河川整備を実施しております。国土強靱化予算の活用については、これまで河道掘削や支障木伐採を中心に進めてきたところであり、護岸や築堤などによる抜本的な河川整備についても、迫川などにおいて着手しております。県といたしましては、近年水災害が激甚化・頻発化していることから、県民の方々が安全で安心して暮らせるよう引き続き国土強靱化予算を最大限活用しながら、河川整備に取り組んでまいります。 次に、県庁舎のバリアフリー化についての御質問にお答えいたします。 県庁舎等の施設整備・運営に当たっては、職場環境の改善を図るとともに、障害をお持ちの方や高齢の方、乳幼児をお連れの方など、様々な立場の方の視点に立った取組が重要であると認識しております。このため、直近で整備した気仙沼及び石巻合同庁舎においては、当初より誘導ブロックやスロープ、授乳室などを整備いたしました。また、既存の庁舎におきましても、エレベーターなど既にある設備に加え、バリアフリーに対応したトイレの改修や執務室の扉を引き戸に交換するなど、より利用しやすいものとなるよう整備を行ってきております。今後とも、より利便性の高い施設の整備に向けて、更なる改善に取り組んでまいります。 次に大綱二点目、オーストラリアとの交流についての御質問のうち、水素ステーションなどの整備についてのお尋ねにお答えいたします。 港湾の臨港地区などにおいては、二酸化炭素排出量の約六割を占める火力発電所や製油所などの施設が立地しているとともに、輸出入貨物の約九九%が取り扱われており、港湾における二酸化炭素排出量削減はカーボンニュートラルの実現に向けて非常に重要であると認識しております。このため県では、今後の港湾を取り巻く環境の変化を踏まえ、港湾計画の改定に向けて明日の仙台塩釜港を考える懇談会を先月立ち上げております。また、今月八日には、二〇五〇年のカーボンニュートラルを目標に、仙台塩釜港カーボンニュートラルポート協議会を設置したところであり、現在、協議会等において、オーストラリアをはじめとする海外からの水素等次世代エネルギーの輸入も視野に入れながら、受入れ環境の整備やコンテナターミナルの拡張などの検討に着手しております。県といたしましては、協議会等の検討状況や国が民間企業と連携して行っている実証事業の結果等も踏まえ、立地企業や先進企業、関係団体と連携を図りながら、カーボンニュートラルに配慮した更なる競争力を有する港を目指し、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 公営企業管理者佐藤達也君。    〔公営企業管理者 佐藤達也君登壇〕 ◎公営企業管理者(佐藤達也君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、水道事業関係施設のバリアフリー化についてのお尋ねにお答えいたします。 水道施設は、県民生活を支える大変重要な社会資本であることから、企業局では国土強靱化予算も活用しながら、送水管路や浄水場の水処理施設等の耐震化を計画的に進めるなど、安全・安心な水道サービスの提供に努めているところであります。一方、大崎広域水道の麓山浄水場管理本館については、耐震性は満たしているものの老朽化が進んでいることから、これまで経年劣化した箇所について修繕を行っておりますが、バリアフリー化については課題があるものと認識しております。企業局といたしましては、引き続き国土強靱化予算も活用しながら管路等の耐震化を積極的に進めるとともに、浄水場等の施設が就業者や見学者などにとって利便性の高いものとなるよう、各施設の改築や大規模修繕等の機会を捉えながら、バリアフリー化に向けた改善に鋭意取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱二点目、オーストラリアとの交流についての御質問のうち、オーストラリアとの関係構築と県産品の輸出についてのお尋ねにお答えいたします。 今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が落ち着いていく中で、観光客の往来や輸出入など、海外との人的・経済的な交流は活発化していくものと思われます。経済交流を発展させていくためには、現地の行政機関や経済関係団体等との信頼関係を醸成していくことが不可欠であり、様々な機会を捉え、オーストラリアとの関係構築を進めてまいりたいと考えております。県産品の輸出については、オーストラリア市場に対し、県による海外向けの支援策を通じて、県内事業者の日本酒の新規輸出が実現しており、今後もジェトロ等の海外ネットワークの活用により、現地バイヤー等から水産加工品など有望な輸出品目の把握に努め、意欲ある県内事業者を支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、農業用ため池などの老朽化対策についてのお尋ねにお答えいたします。 近年頻発する集中豪雨や台風等により、農村地域においても、災害の発生リスクが高まっており、特に決壊により下流域へ甚大な影響を及ぼす農業用ため池の防災対策や地域の排水も担っている農業用排水機場の老朽化対策が喫緊の課題となっております。このため、県では、これまでに事業費ベースで約五十億円の国土強靱化予算を活用し、防災重点農業用ため池の劣化状況調査や地震・豪雨に対する評価、排水機場をはじめとした農業水利施設の整備・補修工事などに取り組んできたところです。県といたしましては、今後とも国土強靱化予算を最大限活用し、農村地域の総合的な防災・減災対策に取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。    〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕 ◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、漁港漁場整備についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、頻発化・激甚化する自然災害に対し、漁港施設の強靱化を推進することは、本県水産業の振興・発展と県民の生命・財産を守る上で大変重要であると認識しております。このため、第二期宮城県国土強靱化地域計画に基づき、防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策など、国の制度を活用しながら、これまでに総額約五十億円を確保し、主要な防波堤や岸壁の耐震・耐津波対策、耐波浪対策などを推進しているところです。県といたしましては、引き続き国土強靱化予算などを最大限活用しながら、漁港施設の災害リスク対応力の強化に向けてしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕
    ◎土木部長(千葉衛君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、仙台塩釜港仙台港区の更なる港湾整備についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、東北を牽引するグローバル港湾の実現に向け、コンテナ船の大型化に対応したマイナス十五メートルの大水深コンテナバースや大規模地震発生時においても物流機能が維持できるよう耐震強化岸壁の整備を段階的に進めているところです。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大によるサプライチェーンの変化、カーボンニュートラルの実現に向けた対応、働き方改革に起因したモーダルシフトの進展など、港湾を取り巻く環境は大きく変化していることから、その動きに的確に対応していく必要があると認識しております。このため、県では今年度から、明日の仙台塩釜港を考える懇談会や仙台塩釜港カーボンニュートラルポート協議会を立ち上げ、仙台塩釜港全体における今後の整備の在り方について、具体的な検討に着手したところです。県といたしましては、これらの懇談会等の検討状況を踏まえ、東北のみならず、これからの日本を牽引する高い競争力を有する港を目指し、国土強靱化予算の活用も視野に入れながら、大水深岸壁や耐震強化岸壁などを含め、港湾整備にしっかりと取り組んでまいります。 次に、コンテナ貨物取扱量の増加に向けた取組についての御質問にお答えいたします。 コンテナ貨物取扱量の増加に向けては、大水深岸壁の整備による港湾機能の強化はもちろんのこと、港湾や工業団地等へアクセスする高速道路ネットワークを充実・強化していくなど、港湾競争力を高めていくことが重要であると考えております。仙台港区の向洋地区においては、来年度、マイナス十五メートルの大水深岸壁が一部完成するほか、仙台塩釜港の周辺においては、仙台都市圏高速環状ネットワークが形成されているとともに、昨年三月には三陸自動車道が全線供用開始するなど、充実した高速道路網が構築されております。また、二〇二四年四月に施行される働き方改革関連法に伴い、長距離トラック等の時間外労働上限規制が適用されるため、陸上輸送から海上輸送へのモーダルシフトの促進が見込まれております。県といたしましては、こうした動きを的確に捉えながら、まずは経済団体等と連携し、他港との優位性を生かした戦略的なポートセールスを重点的に実施するなど、コンテナ貨物の増加に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、松島湾内の航路のしゅんせつについての御質問にお答えいたします。 仙台塩釜港松島港区は、日本三景松島を核とした東北を代表する観光拠点であり、県ではこれまで松島湾を周遊する観光船に対応した桟橋などの整備に取り組むとともに、航路や桟橋付近の安全を確保するため、優先順位をつけながら、段階的にしゅんせつを行っているところです。県といたしましては、観光船の安全な航行のためには、適正な航路水深の確保は重要であると認識していることから、国土強靱化予算を含めた国の支援制度を最大限活用しながら、引き続き取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長猪原誠司君。    〔警察本部長 猪原誠司君登壇〕 ◎警察本部長(猪原誠司君) 大綱一点目、国土強靱化予算についての御質問のうち、信号機の整備と警察署のバリアフリー化についてのお尋ねにお答えいたします。 初めに、信号機の整備については地域住民の方々の要望等を踏まえ、信号機設置の指針に基づき必要性や緊急性を考慮して整備を進めております。また、県内で設置運用している信号機は、現在三千五百二か所に上り、維持管理を適切に行うための老朽化対策も重要な課題であると考えております。国土強靱化予算には、信号機の更新等に要する事業費が含まれていることから、今後も計画的に整備を進めてまいります。 次に、警察署のバリアフリー化については、従来から条例等の基準により取り組んでおります。今後、建設を行う仮称栗原警察署、岩沼警察署の庁舎についても、エレベーターを含めたバリアフリー化を更に進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) バリアフリー化について、昨日でしたか、高橋宗也議員も取り上げていました仙石線の話と似ているのですが、私は、いつも西塩釜駅と陸前山王駅のバリアフリー化をしなければならないと言っているわけです。現状を見ても、車椅子では全然利用できません。また、耳の不自由な方、目の不自由な方も利用できない、それでは駄目なのですよ。JRにお願いするのは分かりますよ。ただ、僕は、多賀城駅の連続立体交差事業のときに関与してましたけれど、宮城県及び多賀城市、国の負担が大体百数億円でしたが、JRは四億円しか負担しなかったのです。僕は、期成同盟会などの存在を否定するものではないけれども、そういうことから言うとやはり県なりが独自に進めないとバリアフリー化が進まない。知事、改めてどうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 鉄道駅舎のバリアフリー化を推進することにつきましては、非常に重要なことだと認識しております。県では、今年三月に亘理駅に隣接する施設へのエレベーター設置に支援を行いました。これまで、十八の駅で四十三基のエレベーターの設置に係る支援を行っているということであります。今、御指摘の西塩釜駅及び陸前山王駅のバリアフリー化につきましては、これまでも宮城県鉄道整備促進期成同盟会を通じましてJR東日本に要望してきました。鉄道駅舎の整備というものは、国もありますけれども、その設置者、JR、そして地元自治体の理解と協力が不可欠でありますので、引き続き県だけではなくて塩竈市や多賀城市としっかり連携して要望してまいりたいと思っております。私もバリアフリー化は必要なことだと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) JRだけに頼るのではなく、県自らも、国も、またその市町も含めて、巻き込んで進めていただきたいと思います。ただ、JRに言うと必ず言われるのは利用者数のことなどです。そうなると、バリアフリー化によってプラスになる部分が全然加味されないで現在の仕様だけで終わってしまうので、もっと再考してください。それから、オーストラリアに知事の親書を持っていって、いろいろやってきたのだけれども、山上大使が僕の言った三点全てに積極的に協力したいと。また、宮城県の地産品についてですが、さっきの経済商工観光部長の回答だけでは足りないのです。シンガポールのホテルの地下のフロア全部を使って、愛媛県ではやってます。ただ、それはシンガポール人が愛媛県とコラボしてやっているようなので、そういう人間はなかなか現れないと思うのですが、もっと積極的にしてください。今回、宮城の地産品のノリを持っていきましたら、あるマスコミが、それが具体化したら我々は全国放送やりたいと言ってきているのです。おそらく物すごいアピールになります。大変いいことだと思います。ノリのみならず練り製品など。それから、加工品はオーストラリアに出す際、有頭では出せないのです。例えば、サバはそのまま凍結しては出せず、出すためには無頭にして内臓を取ってからしか出せない。そういういろいろな各地区の制度もあるのです。コロナ禍で私は行ってきたのですから、問題ないので知事も自ら行ってください。どうですか、経済商工観光部長でもいいですし、少し前向きな回答を求めたいです。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 議員からオーストラリアに行った内容について、私もいろいろお伺いしておりました。この中で、日系のレストランだったりバイヤーだったり、あるいは日系食品を扱う日系企業など、様々御訪問いただいておりますので、そういった今回できたネットワークというものをしっかり活用し、それからジェトロと協力しながら、県産品の輸出に力を入れてまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 私が大変驚いたのは、帰って三日後くらいの僕らの会派の会議の時でしたか、本木議員からそのバイヤーの方の中に石巻の人がおられたという話がありましたので、そしたらすぐに電話となりました。もうそういう時代ですから、いろいろなチャンネルを活用しながら、進めてください。今、オーストラリアは、本当に売りですし、向こうに進出するのは大いに大事なことだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。それから、松島湾リフレッシュ事業で僕が言っているのは、単に作澪だけのことを言っているのではないのです。おそらく遠藤副知事は分かっているでしょうが、前に行っていた松島湾リフレッシュ事業は、大変効果的な事業でした。例えば、今でいう農林水産省、国土交通省、それから総務省、そういうところが横断的に行った事業でした。航路についても問題がまだまだ出てきてますし、宮城県でも大事な観光名所でもありますし、海をきれいにしないと。私は、いろいろな国を歩いてますが、ニューヨークだってどこだって海岸は非常に澄んでいてすごいのですよ。日本を代表する横浜のトライアスロンを見てたのですが、どろどろしたああいう雰囲気のところはないのです。松島もそういうきれいなものにしてほしいと思います。知事、金華山を見たことありますか。金華山のきれいな海岸を。やはりあのくらいに持っていかないと駄目ですから、ぜひもう一度松島湾リフレッシュ事業を。土木部ではなく水産林政部でしょうか、吉田水産林政部長、どうぞ。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。 ◎水産林政部長(吉田信幸君) 松島湾リフレッシュ事業に関してのお尋ねだと思いますが、関係部と連携してやっておりまして、水産林政部では漁場環境の改善ということで作澪のほうをやっております。その後、現在まで、町は漁場環境の把握ということでモニタリングを続けておりまして、そのモニタリング結果を見ながら必要に応じまして、関係漁業者の方々と協議しながら対応を検討するということで進めてきております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 松島湾の汚れの推移に関しては、代ヶ崎口に入るところ、あそこには昔から藻がいっぱい入っていたのですが、一時期なくなってしまいました。ですから、あの辺のことも見ながら、やはり環境といいますか、これは観光にもすぐ結びつきますから、やってください。松島湾リフレッシュ事業をもう一度再考願いたいですが、国とよく調整して、これこそ国土強靱化予算がうまく使えます。それから、港湾に関してですが、大水深十五メートルなどと言っているのは今は宮城県だけです。もう十八メートルから二十メートルが必要ですから。業界に相談するのではなく、先ほど僕、壇上でも言いましたが、鶏が先か卵が先か、全国からの大型コンテナ船が入らなくなりますから、もうやらないといけないのですよ。集める場合には、土木部でも、例えば県から中央に出してるコンテナの数、十万TEUあるということを言ってくれましたので、東北・北海道のコンテナ数を集めれば百万TEUぐらいになるのですから。有利なようにインセンティブを与えながら。私はバイヤーから切実に言われましたよ、ダイレクトな大型コンテナの就航があれば、何本でもコンテナを仕立てることができますのでよろしくということで。例えば横浜や神戸を通ると、その分、物すごく経費がかかるわけです。その辺も踏まえると、もう少し前向きにお願いします。それから、水素ステーションですが、民間の意向なのではなく、先ほどインドや韓国の話をしましたけど、もう国自体で進めているのです。村井知事の下で、宮城県が水素ステーションの一大基地になるように、僕は夢見ています。その辺も含めて、知事から一言どうぞ。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 岸壁の大型化につきましては、議員おっしゃるとおり、欧州・北米航路を中心にマイナス十八メートル岸壁等、大水深の岸壁が急速に造られているということは私も承知しております。また、今回設置しました懇談会の中でも将来のコンテナ貨物の動向を踏まえた上で、やはり大型化していくべきではないかという御意見も出されてございます。我々としては、今回懇談会を立ち上げましたので、そうしたいわゆる業者の方々、あとは学者も含めて、そういった中で意見をしっかりと受け止めながら、将来のあるべき姿を検討してまいりたいと思ってございます。また、おっしゃるとおり、水素ステーションについては海外ではいろいろと進んでございます。日本でも、先行的に検討が始まった港湾もございます。我々としては、遅れることなく、今回協議会を立ち上げましたので、我々が東北を牽引できるようなカーボンポートを目指しながらしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 知事、水素ステーションはもう各国とも喉から手が出るくらい必要なんですよ。中国も触手を伸ばしているのは事実です。それをオーストラリアは例のグリーン水素を液化して送ってくれます。実は私、ブリスベンに行ったとき太陽光の現場を見に行こうとしました。港湾から車で五時間もかかるのです。そういうスケールの大きな国ですから、どんなところにも太陽光の施設もできるし、送電システムもできるのです。そういうところとがっちり組むために、ぜひ知事、オーストラリアに行ってください。それから、部長、国際戦略港湾の言及が前の答弁の中にはあったのに、何だか今日の答弁には入っていないのでがっかりしていたのですが、これは国土交通省にも話をしていることですからね。水素ステーションだって本来は全国で六港しか指定しなかったものなのに、そこに宮城県をぜひ入れてくれということでなっているので、その辺は部長、どうなのですか。 ○議長(菊地恵一君) 土木部長千葉衛君。 ◎土木部長(千葉衛君) 国際戦略港湾については、我々としてもしっかりと高いレベルを想定しながら進めていきたいと思ってございます。ハードの整備はもちろんのこと、関係企業とも連携して集荷、送荷に取り組みながら、東北を代表する、また日本を牽引できるような港を目指してしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 県警本部長にですが、信号については長年の要望であります。私は多賀城市・七ヶ浜町選出ですが、あらゆる地区で必要なのです。国土強靱化予算を使えるということで先ほどの答弁にありましたので、あと二十億円位国土強靱化予算を取れば間に合うと思いますので、ぜひその辺前向きにお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長猪原誠司君。 ◎警察本部長(猪原誠司君) 信号機につきましては、老朽化が災害と相まって非常に危険な状態になるということの危機感というのは、私もいろいろなところに伝えて、しっかりと整備していきたいと考えております。以上です。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 国土強靱化の産みの親ともいえる総務部長。あのときのラインが一千億円。せっかく一千億円という大義名分を出したのに、今、県警本部も含めて県全体でおそらく総資産でまだ五百億円もいっていません。それが二千億円になるか三千億円になるか、そうすると、河川だって、今の信号だって議員の方々もいろいろお持ちの懸案がほとんど解決していく方向になります。総務部長、産みの親としてどうですか。 ○議長(菊地恵一君) 総務部長志賀真幸君。 ◎総務部長(志賀真幸君) ありがとうございます。私も、去年、国土強靱化予算の取りまとめの事務方としてやってまして、いろいろな部局にお話を聞いて、宮城県はまだまだたくさんの課題があるのだと思いました。県政の推進、それから財政運営の両方の観点から見ても、国土強靱化予算を使っていくということは非常に大事だと思いますので、総務部としても、そういった意気込みで頑張りたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 五十七番仁田和廣君。 ◆五十七番(仁田和廣君) 終わりだからやめますけれども、知事、もっと本気になってください。今、県全体で予算が足りないのですから。まだ七兆円ほど残っているらしいので、一千億円が二千億円でも五千億円になっても、と思いますよ。どうぞよろしくお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) しっかり頑張ってまいります。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。    〔十番 大内真理君登壇〕 ◆十番(大内真理君) 村井知事の政治姿勢のうち、核兵器禁止条約について伺います。 現在世界には、一万三千発もの核兵器があり、核戦争になれば世界は破滅します。核抑止力論という考え方は、いざというときには核兵器を使用し、広島・長崎のような非人道的惨禍を前提とする暴論です。二十一日からオーストリア・ウィーンで開催されている核兵器禁止条約第一回締約国会議には、NATO加盟国のドイツ、ノルウェー、オランダ、ベルギーの四か国もオブザーバー参加したのに、唯一の戦争被爆国日本が参加していないことが世界から批判されています。各国の発言では、ロシア・プーチン大統領のような、核兵器の先制使用を国家の基本戦略に据え、自国民の犠牲も世界の破滅もためらわず、核兵器使用を公言し、世界を脅しつける為政者が現れた今、核抑止力論がいかに非現実的で破綻した考え方なのか、改めて明らかとなったことが口々に語られます。核兵器の使用を本気で食い止め、人類全体、地球全体の安全を本気で追求するならば、世界中から一発残らず核兵器をなくしていく、核兵器禁止条約を前に進めることこそ、最も現実的な道です。唯一の戦争被爆国日本は、核兵器禁止条約締約国会議やNPT再検討会議など、国際会議の場で実際に核が使用された際に起こり得る影響やリスク、核兵器の非人道性、環境への影響、損害について、自らの体験と知見を積極的に発信していく使命があるはずです。知事はどのようにお考えでしょうか。この必要性を広島出身の岸田首相に対し、全国知事会国民運動本部長の村井知事から繰り返し強く働きかけてください。日本が核兵器禁止条約に速やかに批准するよう求める署名に、村井知事自身が署名してください。三点併せてお答えください。 女川原発再稼働について伺います。 プーチン大統領は、稼働中のザポリージャ原発の敷地内を攻撃。また、チョルノービリ原発の使用済み核燃料プールに通じる外部電源も攻撃し、こちらは実際に冷却が停止しました。山口原子力防災担当大臣は、五月十三日の閣議後会見で原発への武力攻撃に対する防衛について、「ミサイルが飛んできてそれを防げる原発は世界に一基もない」と明言。多重防御で原発の事故は防げるとの言説が絵空事であったと担当大臣自身がようやく認め、原発の安全が担保できていないことが明らかになりました。村井知事は、これら背景を踏まえ再検証するべく、政府と東北電力に対し再稼働の判断を一旦中止するため、女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定書第十二条の事前了解を撤回するべきではありませんか、伺います。 このたび女川原発で、昨年二月、三月、五月の地震で三回にわたり燃料プール上に設置しっ放しだった仮設足場から八十九個の部品などが落下したこと。また、昨年七月に二号機建屋内に不適切な配管敷設によって硫化水素が漏れ出て、協力企業作業員が体調不良を起こしたことなどのトラブルについて、県の担当者が立入調査を行い、東北電力に対し危機意識の欠如を指摘。管理の見直しなど三点の対策を求めました。これまでも、炉心のひび割れや原子炉内部への部品落下事故など、安全上やテロ対策としての建屋管理上重大な事態を繰り返している東北電力は、原子力発電事業者として、核防御をつかさどる危機意識が乏しく、資格が全くないと言わざるを得ません。宮城県は、女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定書第十条の立入調査を課題の解決が図られるまで、何度でも行う必要があるのではありませんか、伺います。 宮城県が五月十日に発表した最大級の津波浸水想定で、女川原発の重大事故時の広域避難計画を策定した三十キロメートル圏七市町のうち、女川町、石巻市、東松島市、南三陸町の四市町の避難経路が津波浸水域に入り、計画見直しの対応が始まっています。総務企画委員会で日本共産党宮城県会議員団の天下委員が、「原子力災害も含めた複合災害時の避難計画を改めて早急につくるべきだ」とただした際、担当課長が検討すると答弁しました。いつまでにどのような観点で整備するのか、お示しください。 原子力災害における避難行動の第一関門である避難退域時検査等場所が稼働するためには、県職員を含む最低限の要員が検査機器、資機材、安定ヨウ素剤を持参し、避難者より前に検査場所に到着していなければなりません。そもそも検査開始までにどれぐらいの時間がかかるのか。これは、避難計画の基本・根幹部分に関わります。今後の訓練などで改善を図っていけば良い、というような簡単な問題ではありません。東北電力職員六百人と県職員三百二十人全員が避難退域時検査等場所八か所の配置に着くまでどれくらいの時間がかかるのかの試算結果と、要員の派遣日数、途中交代の有無、何交代制か、宿泊施設や食料確保の有無をお示しください。 また、八か所それぞれの統括責任者、安定ヨウ素剤配布責任者、職員の被曝管理責任者の役職名について、それぞれお示しください。 ALPS処理水の海洋放出について伺います。 原子力規制委員会が五月十八日、ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等に係る審査書案について了承しました。そのことに対し知事は、海洋放出以外の処分方法の検討と、新たな風評被害が発生することのないよう、実効性のある対策を求めると述べていますが、海洋放出するなということと海洋放出前提の風評被害対策が並び、矛盾した内容です。知事は結局どうしたいとお考えなのですか、伺います。知事は、六月十六日復興大臣と県庁内で会談し、政府に対し、海洋放出以外の処分方法を再考するよう求めたところ、「既に決まったことで再考は難しい」と言われたそうですが、知事、ここで引き下がったりしないですよね、伺います。知事には地方自治のトップとして、県及び関係市町村、各議会、水産業界によるオール宮城体制を早急に構築していただき、ALPS処理水海洋放出断固反対を政府・東京電力に対し繰り返し働きかけていただきたいと考えます。二点併せてお答えください。 処理水連携会議の主要な議題として、海洋放出以外の処分方法の検討自体を連携会議の場に専門家も複数呼んで真正面から議論すべきです、いかがですか。 政府や東京電力は、海洋放出について「風評被害対策をしっかり行う」「被害があれば賠償する」と繰り返し言明していますが、原発事故以降、県が行う賠償請求に対する賠償実績は、昨年秋までの風評対策分はたったの五・三%。人件費や損害への対応に至ってはいずれもゼロ%。加害者、東京電力の言い分は、「事故との相当因果関係を確認することができない」とのことです。ADRはいまだに二〇一一年、二〇一二年の二年分しか成立していません。今でも東京電力に風評被害を認めさせ、具体的に賠償させるのにこんなに苦労しているのに、何をどのように求めたら新たな風評被害が発生することのないよう実効性のある対策が実現できるとお考えなのですか、伺います。 四病院統合・合築について伺います。 三月二十九日、仙台市の医療提供体制に関する懇話会が取りまとめた宮城県に対する追加意見書に対して、村井知事は四月四日、「既に県の持ち得る情報・データから説明できることは全部説明したので、改めて仙台市、富谷市、名取市それぞれに対して何かを説明するということは今のところ考えておりません」と述べました。ところが、仙台市からの疑問、意見は無視する一方、名取市長によると、四月の段階で水面下にて候補地案を複数示すようにと宮城県側から働きかけられていたことが名取市議会の場で明らかになりました。五月二十七日には、名取市長、富谷市長が建設候補地を村井知事に提案。知事はこれに対し、「非常に良い、最適な場所だと思っている」「一つの大きなたたき台ができた」と高く評価しました。赤間次彦仙台市議会議長は、「この時期に両市が県にアクションを起こすのは、移転の結論ありきとしか思えない、議論を急げば良いという話ではない」と批判しています。業者に委託中の検討データの調査分析について、成果物の提示は委託契約期間の年度末になるとする一方、いわゆる五者、日本赤十字社、独立行政法人労働者健康安全機構、宮城県立病院機構、東北大学、宮城県、この五者には調査の進捗に応じて随時提供され、基本合意に向けて活用が図られるとのことです。県議会及び当該病院の職員と患者さん、医療関係者、地域住民、そして仙台市に対しても五者にデータを提供する同じタイミングで随時公開と説明をその都度行うことを求めます、お答えください。 宮城県は、救急医療に関して今回の再編により、仙台市はもとより仙台医療圏全体の救急搬送時間短縮が期待できると主張していますが、それを裏づける具体的な根拠は示されていません。一方、仙台市内二病院が移転すれば、仙台市の救急医療体制の負荷が増加する可能性は繰り返し指摘されているところです。各消防本部の搬送実施状況や三次救急医療機関などへの市内搬送状況など、救急医療の現場の実態を十分に踏まえた上で調査検討を進めるべきです、お答えください。 宮城県は、精神医療に関して、移転合築により精神科救急の強化として全県からのアクセスの利便性の向上と身体症状を伴う患者への対応強化を図るとしています。しかし、とりわけ県南の精神科救急の要である県立精神医療センターが富谷市に移動することになれば、宮城県の南と北の精神科救急のバランスが一気に崩れると考えます。知事はどのようにお考えなのでしょうか、伺います。 長年かけて醸成されてきた地域との信頼関係や連携を無視し、パズルのように県立精神医療センターの遠隔地への移転・合築の切り貼りを上から勝手に決めていく乱暴さは目に余ります。平成二十五年から準備を重ねてきたがんセンターの敷地を西側に拡張し、そこに精神医療センターを配置しようとしていたもともとの計画に戻すべきです。地権者が代替わりをしたという情報が議会で明らかになったわけですから、用地交渉を再開すべきではありませんか、伺います。 森林乱開発事業を規制できる条例にすべき、を伺います。 気候危機打開のためには、異質の危険のある原発とCO2排出が甚大な石炭火力を一刻も早くゼロにする決断をし、省エネと再エネを大きく普及することが喫緊の課題です。山梨県知事は、「再生可能エネルギーの普及は環境とエネルギーの両立のためにやるものだと理解しているが、木を切り倒してつくる太陽光発電、再エネ事業は矛盾しないかという思いを強くした」と語り、昨年七月全国一厳しい規制条例の設置、今年三月に改正し、県土の八割を占める森林全域を規制区域とし、新設・既設を問わず、全施設に維持管理計画書や定期点検報告書提出の義務づけのほか、発電をやめたときにはパネルの廃棄を確認するため、事業廃止届出も義務づけました。ところが、このたびの宮城県太陽光発電施設の設置等に関する条例案は、住民の意見を尊重する規定を盛り込んだことには賛意を示しますが、結局は森林伐採を規制する視点を著しく欠いており、県民の期待を大きく裏切る内容となっています。まずは、山梨県並みに規制対象を十キロワット以上とし、十キロワット以下も野立ての禁止、新設・既設問わず、設置から維持管理、廃棄まで網をかけ、違反が疑われれば立入調査や改善命令を行い、従わない場合は事業者名の公表や過料を科し、その上、他法令遵守違反があれば、経済産業省に通告することを明記した条例が宮城県でも切実に求められています。抜本的な修正を求めますが、いかがですか。 ここ二、三年の間に、開発の主流がメガソーラーから大規模風力発電に移行しています。奥羽山脈に七事業、約百八十基の巨大風力発電群が林立する計画、蔵王・御釜のすぐ脇には、関西電力がわざわざ一基二百メートル掛ける二十三基の巨大風力群の建設予定を含め、県内で現在アセス審査中の風力発電施設は十五事業所三百三十基に上ります。今回の宮城県の規制条例に風力発電を含めることについては、知事も記者会見で条例改正の可能性に含みを持たせた発言をしていますが、太陽光発電に限らず大規模風力発電も工事用道路などでの大規模な森林伐採がありますので、規制が緊急に必要です。知事、規制条例に盛り込む指示をお示しください、いかがですか。 丸森町耕野のメガソーラーは中止を求めます。事業者は、刑法違反の贈賄事件まで起こし、国はFIT認定の取消しを視野に検討に入っています。事業者は、知事の押印のある林地開発許可書と四者協議の協定書を免罪符、錦の御旗として事業を推進する計画です。県の開発ゴーサインだけが事業推進の根拠になっています。知事の責任で事業者に開発を止めるよう勧告すべきと考えますが、いかがですか。 本来の地域主導で地元の経済にも寄与する持続可能な再生可能エネルギーを普及することと、そのことの最大の妨げとなる森林の大規模乱開発をしっかり規制する両輪を握って離さずに、総合的な見地から県の政策を推進する部署の設置が不可欠です。宮城県の現状は、再生可能エネルギーの推進や環境影響評価など関連施策を担当する部署が分かれ、縦割りとなっており問題です。いかがお考えでしょうか、伺います。 大川小学校震災遺構について伺います。 五月三日、映画「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」の完成試写会とクラウドファンディングの返礼として、現地語り部会が行われ、私も参加してまいりました。このたび、この映画は、文部科学省によって教育上価値が高く、学校教育または社会教育に広く利用されることを目的とし、教育映像等審査規程に基づいて選定されました。まず求めたいのは、宮城県と宮城県教育委員会として、この映画を後援名義することはもちろん、教育関係者のみならず、あらゆる組織の事前防災に本気で魂を入れていく媒体として、広く深く普及する先頭に立ち、宮城県として名実ともに推薦していただきたいということです。御遺族に語り部の御協力を仰ぐ姿勢の強化も併せて求め、具体化と知事、教育長の意気込みについて伺います。 広島の原爆ドームは、核兵器の非人道性を世界中と後世に伝え続ける遺構として補修を重ねて存在しています。同じように大川小学校は、学校防災のみならず、事前防災体制整備の歴史的重要性を世界と後世に伝え続ける意義を持つと考えます。位置づけについていかがお考えですか、伺います。 広島では、寄附金を募り資料館観覧料なども活用し、原爆ドーム保存事業基金を創設して、平成四年から三年に一回、九度の健全度調査と約五億円かけて五回の保存工事を実施しています。ところが、大川小学校震災遺構は、存置保存といって、お金も手間もかけず、朽ち果てるに任せられています。子供たち一人一人の名前が入った紙のシール、今はまだ建物内に入れる校舎、今にも崩れ落ちそうな渡り廊下、校歌「未来をひらく」が描かれた壁画、それらこそが命の重みを実感できるものとして残していきたいのに、十一年が経過し、無残な姿に歯止めがかかりません。大川小学校震災遺構の健全な保存の在り方を宮城県が音頭を取り、広島に倣い、石巻市と連携し、校舎などの建造物の保存に関する専門家を交えた委員会などしかるべき機関を設置し、老朽化を防止するために必要かつ適切な保存策を講じていただきたく思います。知事の御英断を求めます。お答えください。 人口減少社会における子育ての村井について伺います。 厚生労働省が六月三日に発表した合計特殊出生率で宮城県は一・一五と、東京都に次いで全国二番目に低い数字となりました。一方、九年連続人口増、収入増、合計特殊出生率一・七〇となった兵庫県明石市の市長は、参議院に参考人招致された際、「長らく日本は少子化の加速や経済の停滞と言われておりますが、その原因の一つは、私たちの社会が子供に冷た過ぎるのではないか」と切り出し、明石市独自の五つの無料化、全て所得制限なし、全ての子供を等しく対応することを紹介、例えば、医療費については十八歳まで完全無料、市外の病院も無料、薬代も無料。二〇二一年度からは小中一貫校は全学年三十人学級を実現。保育料は二人目以降完全無料、「所得制限などのせこい要件は出しません」とおっしゃいます。ほかにも、子供を社会全体で応援しようと、優しく強い施策が次々に並びます。明石市と真逆の道を走る宮城県は、明石市の姿勢に学び実践するべきではありませんか、伺います。 明石市では、泉市長が就任する前に比べて、年間百二十六億円だった子供に向ける予算を、今は二百五十八億円、文字どおり市独自で倍増しました。村井知事の知事選挙公約の目玉だった次世代育成・応援基金は二十億円の基金から毎年二億円程度しか取り崩さない予算組みです。あまりにも額、スケールが小さ過ぎます。まずは、子供医療費助成拡大・所得制限撤廃や国民健康保険の子供均等割の軽減、少人数学級などへの県助成の底上げ、母子父子寡婦医療費助成の拡大・完全現物給付、第一子からの小学校、中学校入学準備金補助に着手するのが、子育ての村井にとって真っ当な道ではありませんか、伺います。 全県三十三の市町村が今年十月には、子供医療費の十八歳までの無料化と所得制限の撤廃を実現することになりました。県内人口の約半分を占める仙台市も来年四月から所得制限の撤廃をします。宮城県の支援基準を就学前の段階から一歳分ずつでも引き上げること、所得制限分の半分は宮城県が持ち、市町村支援の底上げと負担軽減に宮城県の役割が求められています。御決断いただきたいのですが、いかがでしょうか。 今、食料品や燃料費の高騰で保護者及び市町村の負担が急増しています。憲法第二十六条、教育基本法第五条第四項、学校教育法第六条で、それぞれ義務教育の無償を定めています。しかし実際には、教材費、制服、体操着、学用品、給食費、修学旅行積立金などを家庭が負担しており、中でも学校給食実施状況調査では、全国平均で小学校が年間四万七千七百七十三円、中学校が五万四千三百五十一円と給食費が最も多くなっています。県内では、小・中学校完全無償化は三自治体、一部無償化・補助は八自治体です。宮城県として、市町村負担の二分の一を補助することで、全市町村の無償化を実現し、子供たちの心身を育む大切な食をしっかり支援することが「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」なのではないでしょうか、伺います。 生理の貧困は、もともと存在していた女性差別をまた一つ浮き彫りにしました。誰もが使うトイレットペーパーと同じように、生理用品は女性にとって必需品なのに公教育の場では、長年保健室からの貸出し。このたび議会で議論となり、ようやく給付に至りました。しかし、相変わらずいまだに保健室にまで取りに行くパターンです。県内普通高等学校の生徒数が規模的に中間の学校を、県教育委員会に調査いただいたところ、年間のトイレットペーパー費用は十七万円でした。それに比べれば、生理用品を配備するのに必要な財政は一校当たりプラス数万円程度です。各学校の管理費を増額し、最低でも県立学校はもとより県の公共施設には、生理用品を女性トイレや多目的トイレの個室か洗面所に配置すべきです。いかがですか。 第三期県立高校将来構想で定められた四から八学級の適正規模を割る学校が生まれ始めました。この流れは今後加速します。県教育委員会は、今回の対象二校について、「募集停止は前提ではない」と繰り返し答弁していますが、原則として募集停止の文言が、第三期県立高校将来構想第一次実施計画に明記されている以上、募集停止を回避できる担保はありません。まずは、募集停止の文言は第二次実施計画から削除すべきです。更に一学級の定数を少人数でも可能とし、県独自の教員定数を確保し、小規模校としても地域と連携しながら存続できる方向こそ第二次実施計画に明記すべきです。二点併せてお答えください。 以上で、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 大内真理議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、村井知事の政治姿勢についての御質問にお答えいたします。 初めに、核兵器禁止条約についてのお尋ねにお答えいたします。 我が国が唯一の戦争被爆国として、広島、長崎の惨禍が再び繰り返されることのないよう国際社会に向けて発信し続けることは大変重要であると認識しております。政府においては、核兵器禁止条約を、核兵器のない世界への出口に当たる重要な条約と認識しつつ、核兵器国が参加していない状況下では、核軍縮・不拡散の取組から進めるべきとの考えから、条約に参加しておらず、国連総会での核兵器廃絶決議の提出や軍縮・不拡散イニシアチブでの連携等の取組を粘り強く行っていると承知しております。こうしたことから国に対する働きかけや核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名を行うことは考えておりませんが、政府には引き続き、核兵器のない世界の実現に向け、取り組んでいただきたいと考えております。 次に、武力攻撃や原子力防災担当大臣の発言からは、原子力発電所の安全が担保できず、事前了解を撤回すべきとの御質問にお答えいたします。 女川原子力発電所二号機の再稼働については、国のエネルギー政策や地球温暖化対策等も考慮しながら、安全性の確保を大前提に一昨年県議会や市町村長の御意見等をお聴きして、国に対して理解表明したものであります。また、協定に基づく東北電力からの事前協議への回答に当たっては、専門家からの参考意見を頂きながら事前了解したものであります。現在、新規制基準を満たすための安全対策工事が行われているところであり、工事の進捗等について随時報告を受けるとともに、必要に応じて立入調査を行うなど、引き続き、安全管理の徹底を求めてまいりますが、武力攻撃への対応や原子力防災担当大臣の発言については、国がその所管である外交及び防衛の観点から検討すべきものと認識しております。 次に、海洋放出以外の検討と風評対策を国に求めることは矛盾した対応ではないかとの御質問にお答えいたします。 昨年四月、国が処理水の処分に関する基本方針を決定して以来、県では一貫して海洋放出以外の処分方法の検討を求めており、連携会議においても構成団体の皆様から同様の御意見を頂いているところであります。一方、国の基本方針決定後、放出の有無にかかわらず、新規取引の中止や市場価格への影響など、風評と思われる事象が既に発生しているといった声も寄せられており、風評により県民の皆様が不利益を被ることのないよう対処していく必要があると考えております。このため、県といたしましては、今後とも海洋放出以外の処分方法の継続検討と実効性のある風評対策を国に求めてまいります。 次に、海洋放出以外の処分方法の検討に関する今後の考え方についての御質問にお答えいたします。 今月十六日、西銘復興大臣と会談し、翌日には関係省庁を訪問して政府要望を行い、従来から求めている海洋放出以外の処分方法の継続検討と実効性のある十分な風評対策などを要望したところであります。また、県では、連携会議を通じて構成団体の皆様から丁寧に御意見を伺い、海洋放出以外の処分方法の検討をはじめ、具体的かつ実効性のある風評対策の提示などを国と東京電力に対し直接申し入れており、引き続き、責任ある対応を求めてまいります。 次に、大綱四点目、大川小学校津波裁判で明らかになった教訓を事前防災の柱に据えるべきとの御質問のうち、映画の普及と御遺族に対する語り部活動への協力についてのお尋ねにお答えいたします。 映画「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」の試写会が先月開催され、多くの方々が視聴されたことについては承知しております。県では、大川伝承の会をはじめとした各地の伝承団体などを訪問し、活動状況などについてお話を伺っておりますが、語り部の皆様の中には、御遺族も多くいらっしゃると聞いております。今後とも、伝承団体の皆様との連携を更に深めながら、震災の記憶や教訓をしっかりと後世に伝えてまいります。 次に、大綱五点目、人口減少社会における子育ての村井についての御質問にお答えいたします。 初めに、明石市の独自施策に学ぶべきとのお尋ねにお答えいたします。 私は、低迷する合計特殊出生率に強い危機感を抱き、社会全体で支える宮城の子ども・子育てを政策の柱に掲げ、基金を創設して子育て支援を強力に推進することといたしました。今年度から県では、産前産後ケアなどの子育て支援サービス無償化を実施する市町村への補助の拡充を図ったところであり、今後も地域の実情に合う市町村の施策が実践されるようしっかりと支援してまいります。 次に、乳幼児医療費助成及び国民健康保険に係る子供の均等割保険料等についての御質問にお答えいたします。 子供の医療費につきましては、国が責任を持って全国一律の制度として整備すべきものと考えております。また、国民健康保険における未就学児を対象とした保険料等の均等割につきましては、今年度から五割を減額する措置が実施されております。少人数学級については、義務標準法の改正により小学校二年から順次基準が引き下げられ、令和七年度には、小学校の全学年において三十五人以下学級になる見込みであります。このほか、母子父子家庭医療費助成については、現物給付方式を採用した場合、国民健康保険の国庫負担金が減額措置されることなどによる市町村の更なる財政負担への影響が懸念されます。県としましては、これらの制度は、本来的に全国的な制度によるべきものと考えており、制度の創設や対象範囲の拡大などについて全国知事会とも連携しながら引き続き国に要望してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。    〔復興・危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱一点目、村井知事の政治姿勢についての御質問のうち、女川原子力発電所への立入調査は、課題が解決されるまで行うべきとのお尋ねにお答えいたします。 県ではこれまで、女川原子力発電所の安全確保上必要と認めた場合、その都度立入調査を実施してまいりました。地域住民の健康や生活環境を守ることは何より重要であることから、引き続き関係市町とも連携して必要に応じ立入調査を行い、東北電力に対し改善を求めてまいります。 次に、複合災害時の避難計画についての御質問にお答えいたします。 県の地域防災計画では、複合災害対策の項目を設け、応急対策への備えや防災活動など、県と沿岸市町における対策の留意点を記載しております。今後は、全国の原子力発電所立地県の状況なども確認しながら、自然災害における被災者の救助、放射線防護対策、情報伝達体制などの視点から研究してまいります。 次に、避難退域時検査等場所の配置に係る所要時間、運営方法及び責任者についての御質問にお答えいたします。 原子力災害時においては、災害の規模や緊急性に加え、風向・風速、発生時刻、季節、天気などの条件により、避難退域時検査等場所の開設場所やレーン数をはじめ、数多くの場合分けが生じることとなります。このため、避難退域時検査等場所の配置に係る所要時間の算定や派遣日数、途中交代の有無など、運営方法をあらかじめ定めておく必要性は乏しいものと考えております。一方、あらかじめ備えることが可能な責任者や資機材については、育成研修の計画的な実施や資機材の定期的な点検など平時から体制を確保しているところでございます。 次に、海洋放出以外の処分方法の検討を連携会議の議題とし、専門家も交えて議論すべきとの御質問にお答えいたします。 処理水の処分方法等については、平成二十八年、国が専門家による多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会を設置して検討を行い、国はその報告書を踏まえ、昨年四月海洋放出による処分を内容とした基本方針を決定したものと承知しております。処理水の問題については、原子力政策を推進してきた国と、事故の原因者である東京電力が、被災地の方々の速やかな復興への願いや漁業者等の風評に対する不安の声などに真摯に耳を傾け、責任を持って対応していくべきものと考えております。連携会議においては、引き続き、国と東京電力に対して、構成団体の皆様の御意見や御要望を申し入れてまいります。 次に、県の賠償請求に対し和解までに相当の時間を要しているが、新たな風評を生じさせないための対策は実現できるのかとの御質問にお答えいたします。 福島第一原子力発電所事故に伴う損害賠償に関しては、事故がなければ生じることのなかった全ての損害について賠償が得られるよう、東京電力に対し、粘り強く継続して申し入れているところであります。処理水の風評対策については、国が前面に立って責任を持って対応すべきものであり、政府要望においても新たな風評が発生することのないよう、関係省庁に継続して申し入れているところでございます。今後とも、連携会議を通じて、構成団体の皆様の御意見・御要望を丁寧に伺いながら、実効性のある対策を国と東京電力に対し強く求めてまいります。 次に、大綱四点目、大川小学校津波裁判で明らかとなった教訓を、事前防災の柱に据えるべきとの御質問のうち、震災遺構大川小学校の学校防災等における重要性と、石巻市と連携した適切な保存策についての御質問にお答えいたします。 震災遺構大川小学校では、大川伝承の会や当時の児童生徒による語り部活動等により、震災当時の経験や教訓を伝え続けており、聴講された方々に様々な思いを感じていただく大切な場となっているものと認識しております。震災や津波の恐ろしさを後世に伝え続ける震災遺構は、それぞれの市町の判断により、保存や管理がなされていることから、各地の震災遺構へより多くの方々に足を運んでいただけるよう、市町と連携して取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱三点目、森林乱開発事業を規制できる条例にすべきとの御質問のうち、条例案の抜本的な修正を求めるとのお尋ねにお答えいたします。 いわゆるFIT制度の創設以降、我が県でも太陽光発電の導入が急速に進展しましたが、住民への説明不足に起因するトラブルの発生や維持管理、廃棄等に対する住民の不安が高まっているほか、土砂災害の発生などが懸念されております。県では、これまで事業者に対し、ガイドラインにより指導してきましたが、発電施設の把握などに課題があることから、地域と共生した太陽光発電の普及拡大を図るため、土砂災害のおそれのある区域への設置規制や地域住民等への事前説明等を定めた条例を制定するものです。また、この条例には、罰則等の規定を設けており、更に本条例に違反すれば、FIT認定の取消しの可能性もあることから、実効性は確保できるものと考えております。県といたしましては、条例と併せて森林法など関係法令の遵守を徹底することにより、地域住民の不安払拭を図り、森林の乱開発の抑制につなげてまいります。 次に、風力発電の設置など大規模な森林伐採に対する規制を設けるべき、との御質問にお答えいたします。 森林は、二酸化炭素の吸収源であるほか水源の涵養や環境の保全といった多面的機能を有しており、開発行為を行う場合には、これらの機能に十分配慮して実施する必要があると認識しております。風力発電については、本条例の対象としておりませんが、施設の規模や構造等からほとんどが環境影響評価の対象となるほか、林地開発許可などの法令等による規制もあり、これらの手続の中で森林保全に配慮した適正な事業の実施を図ることが可能であると考えております。更に国では、風力発電に関するガイドラインを策定し、事業者に対して地域の自然環境や景観への配慮のほか、森林法などの関係法令の遵守を求めております。県といたしましては、事業者に対して、関係法令や国のガイドラインの遵守の徹底を求め、地域と共生した適正な事業となるよう指導してまいります。 次に、丸森町耕野地区のメガソーラー事業についての御質問にお答えいたします。 丸森町耕野地区のメガソーラー事業については、国から再生可能エネルギー特別措置法に基づく指導が行われ、事業者に対し県及び丸森町等の四者と締結した自然環境保全協定を遵守し、地域との信頼を回復するとともに、この協定に違反した場合には改善命令や認定の取消しを行うことがある旨、通知されたところです。この自然環境保全協定では、事業者に対して自然環境の保全や災害防止に加え、地域住民の懸念を踏まえ、井戸水などの生活環境への配慮や地域住民の同意を得て事業を進めるよう努めることなどを求めております。県といたしましては、丸森町及び国と連携しながら、協定が遵守されるよう事業者をしっかりと指導してまいります。 次に、総合的な見地からエネルギー政策を推進する部署の設置についての御質問にお答えいたします。 県では、専門性の維持と向上を図る観点から、それぞれの所管部署が連携しながら関係する法令に基づいて規制や開発許可等を行っており、環境生活部においては再生可能エネルギーの推進に加え、環境影響評価や林地開発の許可のほか、資源エネルギー行政に関する調整を担うことから、エネルギー問題に一体的に対応できる体制づくりに努めているところです。県といたしましては、引き続き庁内の関係部署とも緊密に連携し、総合的な見地から脱炭素社会実現に向けた取組を推進してまいります。 次に、大綱五点目、人口減少社会における子育ての村井についての御質問のうち、県有施設への生理用品の備付けについてのお尋ねにお答えいたします。 県では、令和三年度からみやぎの女性つながりサポート型支援事業を実施し、コロナ禍で困難を抱える女性に対する相談支援とともに、生理用品の提供を行っているところです。県としましては、県有施設のトイレへの備付けは、現時点では慎重な検討が必要と考えておりますが、今後も本事業により必要としている人に支援が行き届くよう、一層の制度の周知を図ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、四病院統合・合築についての御質問のうち、委託業務により、調査・分析するデータの情報公開についてのお尋ねにお答えいたします。 病院の再編に向けた検討・協議を進めるに当たり、業務委託を活用して進めているところでありますが、その検討・協議の過程における具体的な検討の内容や検討に用いた資料についてはその都度公開することはできません。 なお、基本合意に向けた協議の進展に合わせて、相手方との調整の上、できるだけの情報提供に努めてまいります。 次に、調査・検討に当たっての救急医療の現場の実態を十分に踏まえた対応の必要性についての御質問にお答えいたします。 救急受入れ病院が仙台市内に集中していることにより、黒川地域及び名取市の患者の七割超が仙台市内に搬送されております。このため、名取市や富谷市に新病院が整備されることで、仙台市内への搬送数の減少が期待でき、仙台市内の病院の負担軽減につながるものと考えております。今後、救急医療の課題解決に向けた病院再編によって、仙台市を含めた仙台医療圏全体の搬送時間の改善や仙台市内の医療機関の負担軽減が図られるよう検討を進めてまいります。 次に、精神医療センターが富谷市に移転した場合の県の精神科救急のバランスについての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターは、県内唯一の精神科スーパー救急を備えた病院ですが、近年の救急搬送件数を見ると、仙台医療圏で七割、仙南医療圏で一割程度、大崎・栗原医療圏と石巻・登米・気仙沼医療圏はともに一割に満たないものとなっております。このため、地域の医療機関と連携・補完を図るとともに、県の中央部に位置し、県内各地からの道路ネットワークによるアクセスが良い富谷市に新病院を整備することにより、従来の県南部からの患者に加え、県北部からの民間病院では対応の難しい患者の受入れが可能となるものと考えております。 次に、精神医療センターのがんセンター隣接地への移転についての御質問にお答えいたします。 精神医療センターについては、老朽化が著しく、早期の建て替えが急務となっておりますが、かつて移転候補として検討していた県立がんセンター西側の隣接地については、用地取得が可能となったとしても、事業認定、開発許可、農振除外及び埋蔵文化財調査などの行政手続が必要となり、造成に着手するまでに今後長期の時間を要することから、整備場所としては難しいものと考えております。 次に、大綱五点目、人口減少社会における子育ての村井についての御質問のうち、乳幼児医療費助成についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県では、平成二十九年度に、入院だけではなく通院も就学前までを対象とする制度拡充を行っており、一部自己負担金を課していないことや完全現物給付方式を採用していることも踏まえれば、全国的に見て遜色のない制度と認識しております。県として、こうした制度は、本来、ナショナル・ミニマムとして国が責任を持って整備すべきと考えており、全国一律の制度創設について引き続き国に要望してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、大川小学校津波裁判で明らかになった教訓を事前防災の柱に据えるべきについての御質問のうち、映画の普及等についてのお尋ねにお答えいたします。 お尋ねにあった映画の試写会が先日行われたこと、また制作会社の方が被災地に足を運ぶきっかけとなってほしいとの話をされていたことなどは、報道等で承知しております。東日本大震災から十一年が経過する中、事前防災の重要性など震災から得た教訓をしっかり伝えていくことはとても大切なことであると考えております。県教育委員会としましては、新任校長や新規採用教職員を対象として、大川小学校を訪問し、御遺族である語り部の方のお話を聞く研修を行っており、今後も御協力をお願いし、継続して実施していく予定としております。引き続き事前防災の考え方の浸透を図り、いかなる災害からも命を守ることができる学校防災体制の構築に取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、人口減少社会における子育ての村井についての御質問のうち、市町村における学校給食費の無償化についてのお尋ねにお答えいたします。 義務教育における学校給食は、学校給食法に基づき、学校設置者である市町村が実施し、必要な施設・設備と運営に関する経費は市町村が、食材料費等は児童生徒の保護者が負担することとなっております。各市町村においては、就学困難と認められる児童生徒の保護者に対して必要な援助を行っているほか、給食費を低く抑えられるようその地域の実情に応じて取り組んでいるところです。県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会とともに、引き続き子供たちの心身の健全な発達に資する、安全・安心な学校給食が実施されるよう努めてまいります。 次に、県立学校のトイレへの生理用品の備付けについての御質問にお答えいたします。 いわゆる生理の貧困と言われる問題は承知しており、県立学校では児童生徒に生理用品を保健室で無償配布しております。県教育委員会としましては、教職員が様々な場面で児童生徒の悩みや不安を聴き取り、その背景にある課題に気づくことが大切であると考えており、一人一人に寄り添った対応につながるよう学校に働きかけてまいります。 次に、第二次実施計画の策定についてのお尋ねにお答えいたします。 第三期県立高校将来構想では、生徒の様々なニーズに対応できるよう、教科・科目の開設とともに、活力ある教育環境の確保という観点から、適正な学校規模の目安を一学年四から八学級としているところです。このことを踏まえ、第一次実施計画では、二学級及び三学級規模の学校を当面特例校として存続させた上で、二学級規模の学校については一定の基準に該当した場合、原則として募集停止を検討することとしておりますが、検討に当たっては一律に募集停止を行うのでなく、地域の実情も踏まえながら考えていくことが重要であると認識しております。第二次実施計画の策定に当たっては、未来を開く魅力ある高校づくりを目指す第三期県立高校将来構想の下、県立高等学校将来構想審議会の御意見を伺いながら、小規模校の在り方についても検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 御答弁ありがとうございました。唯一の戦争被爆国日本が核兵器の非人道性を世界に発信することは大変重要だという知事の御答弁でした。知事自らの姿勢を内外に示すためにも、七月十七日、日曜日十時三十分から行われる宮城県原爆死没者追悼平和祈念式典への知事自身の御参列をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 他の公務との兼ね合いも見ながら、予定が合えば必ず伺いたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) よろしくお願いいたします。 生理用品について伺います。生理用品のトイレの個室か手洗い場への設置について。モデル校の設置、岐阜県の教育長は既に御決断されておりますが、ぜひ宮城県教育委員会教育長としても御検討いただけないでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) モデル校ということで取り組んだ県があるということは承知しておりますけれども、コロナ禍の中で生理の貧困ということがクローズアップされて、生理用品を買えない、あるいは買ってもらえない子供たちに丁寧に対応していくということが大事だと考えておりまして、それはモデル校ということではなく、いろいろな学校にそういう子供たちがいると思っております。そのときに、やはり保健室というのが子供たちにとって、多くの学校で安心できる場所、あるいは相談がしやすい場所ということもあって、そこでいろいろとお話を聴きながら、生理用品が買えない状況、買ってもらえない状況というのはそれにとどまらず、結局いろいろな課題、貧困も含めて、ネグレクトだったり、あるいはヤングケアラー、いろいろな課題があると思われるので、そうしたことをしっかりと把握して、必要なケアにつなげていくということが大事なのではないかと、教育機関としてやはりそれが必要なのではないかということで、今、まずそれに取り組んでいるということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 相談できるいろいろなツールを用意しておくことは非常に重要だと思いますが、生理用品をそのツールにする必要はないと考えます。いろいろなパターンを検討する必要があるという御答弁もありましたけれども、ぜひ、知事としてもモデル校の設置をお願いしたいと思っております。県有施設への設置も含めて御答弁お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今、教育長が答弁いたしましたけれども、モデル校で一校だけ目のつくところに、トイレ等に置いておくというのも一つの方法ですが、各学校に保健室がありまして、急に必要になる場合もあるでしょうから、そういったときには保健室に行っていただけるとすぐに対応できるようにしておけば、私はそれでよろしいのではないかと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 保健室まで取りに行く時間がないということです。どういうやり方がいいのかということ自体を検討するために、モデル校の設置、また県有施設への配備を改めてお願い申し上げます。 女川原発再稼働について伺います。風向や風速などいろいろなパターンがあるから運営方法を事前に計画しておく必要はないという、とんでもない答弁が出ました。しかし、そもそも原子力災害が起きて、その場で判断して、トラブルなく適切に職員の方を配置できるとお考えなのでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 原子力災害時、これは今、議員からお話ありましたとおり、状況に応じまして様々な場合がございます。その場合一つ一つに応じた、例えば派遣日数、交代の有無、そういったもの一つ一つを張り付けて検証していくというのは、なかなか難しいと考えております。一方で、想定されるケースというのがございますので、それに基づいて原子力防災訓練を行う、あるいは全体を通してではなくて、避難退域時検査等場所だけの、いわゆる要素別訓練と私ども呼んでおりますけども、要素別の訓練を行う、そういったことはしっかりやっております。更に、そういった場合によっても動かない要因、それから資機材、こういったものは動きませんので、そういったものに対する事前の研修、それから装備の点検、こういったものはしっかりしておりまして、いわゆる様々な場合における機動的な対応というものをしていくことになると考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) そもそも県職員三百二十名分の名簿と事前の同意書、これは当然あるのですよね、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) こういう際に派遣、ないしは充てられる県職員についての名簿、それから各部局への割当てといったものを行っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 部局ごとにあるとおっしゃったのか、ないとおっしゃったのか、もう一回教えていただきたいのですが。併せて危険手当などの説明も事前に行われているのですよね、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 私ども、人事異動がございますので、年度ごとに変わっていくということで、年度の初めに部局に対してこういう業務があると、それから職員の割当てをお願いしますというお話をしております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 個々、一人一人の職員の方への同意書というのは当然あるのですよね、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 申し訳ありません、私、同意書を紙で頂いているかどうかは、ちょっと確認しておりませんけれども、説明をした上で職員に業務をお願いしているということと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 役職で勝手に上から仕事が割り振られているのに、同意書なく、その方が危険なところに行くということが許されるのかと思うのですが、これは当然同意書は必要だと思うのですけれども、これ、確認していただいて、なければ早急に整えることが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) その必要性の有無については検討いたしますけれども、これは業務ですから。しかも、県民のために命をかけてやるべき仕事ですので、私は、そういったこともよく考えながら、検討していく必要があるのではないかと思っております。全然次元は違いますけれども、鳥インフルエンザとか豚コレラとかいろいろありますけれども、当然、動物を触るのが嫌だという職員も行っているわけですが、そういったこともやはりしっかり説得しながらなるべく協力してもらうようお願いしております。我々、いざというときのために給料をもらっているわけですから、県民の命を守るためにあるわけでみんなで最前線に出ていくと。ですので、誰もいなければ私が出ていくというぐらいの気持ちで、頑張っていく必要があるのではないかと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 原発事故は自然災害ではなくて人災ですから。これは、事前の同意書、当然必要だと思います。これ、引き続き求めていきたいと思います。あわせて、そもそも東北電力から退域時検査等場所に配置される予定の六百人分の名簿はあるのですよね、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 御趣旨は、東北電力の社員の名簿ということでよろしかったでしょうか。こちらについては、東北電力の件でございまして私は存じ上げておりません。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) いざというときに、六百人がきっちり配置されるという担保はあるのですか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) どういったものを担保と呼ぶか私は存じ上げませんけれども、東北電力との常日頃の関係からしっかりした信頼関係を結んでいると考えております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 原子力災害が起きたとき、自然災害との同時多発的な複合災害があり得るということなのです。片方で自然災害の対応をしているときに、原子力災害に配置されなくてはならない方がいると。そういった人数がきちんと配置され、確保できているのかということを問うているわけですけれども、その点はいかがですか。 ○議長(菊地恵一君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) そもそもということになりますけれども、この避難退域時検査等場所が運用される時点というのは、いわゆるプルームが通った後、それで一時避難が行われて、UPZの皆様がおいでになる場所ということですので、議員おっしゃるように、特別危険な場所と、特別危険な作業であるところではないと私は思っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 私は原発の災害というのは特別に危険な場所だと思います。そこの認識がそもそも異なっているということであります。これ、本当に認識を改めていただきたい。そして、住民の皆さんを安全に避難させるための、第一関門となっているのがこの退域時検査ポイント。ここを安全に通過できるのかどうか、このことにかかっていると言っているのに、基本的な計画もなければ準備もできていない、これで二〇二四年の再稼働なんて無理なのではないでしょうか、知事、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 訓練をしながら課題を抽出して、改善をしていくことは、この件に限らず重要なことだと思っております。稼働に向けて東北電力のほうで今しっかりと準備をされていると伺っております。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 東北電力任せでなくて、宮城県自身が避難計画の安全性を担保する、それは当然必要だと思いますので、それを求めてまいりたいと思います。 続けて、ALPS処理水の海洋放出について伺います。これまでの経緯・経過を踏まえると、私は、政府・東京電力を全く信用できません。知事は、より具体的・効果的な風評対策を国と東京電力に求めていくとおっしゃいますが、具体的・効果的な風評対策、被害対策とは一体どういうことを指しているのか、具体的にお示しください。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これは、水産事業者、農業関係者、また観光関係者からヒアリングをいたしまして、こういったことをしてほしいということを、今取りまとめて、国と細部調整をしているということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。
    ◆十番(大内真理君) 海洋放出を許せば、全国トップクラスの水産県宮城のブランド力は地の底に失墜すると、水産業者の皆さんが口々におっしゃっていました。知事は、宮城のブランド力を保てるとお考えですか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) そこは、非常に心配しているところでありますので、引き続き海洋放出以外の方法をぜひ採用してほしいということを繰り返し、繰り返し、国に訴えているということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 原発事故以降、不漁やコロナ、燃料費高騰など何重にも苦労が重なっている現場の実態を伺ってまいりました。この上、更に処理水の海洋放出が加わったら現場の皆さんは宮城県の水産は壊滅すると、こういうことを何度もおっしゃっていたのです。今、知事も危機感があるというお話でございましたので、引き続き現場の皆さんの声をよく聴いて、繰り返し政府と東京電力に働きかけていただきたい。これは繰り返し要望してまいります。 四病院統合・合築について伺います。昨日、高橋宗也議員への答弁で、富谷市に想定している新病院は脳卒中センター、高度な循環器内科治療、質の高い救急医療体制、こういうことをおっしゃっていました。この話は、昨日初めて出されたものです。何も決まっていないと言いながら、既成事実だけはどんどん積み上げていく、あまりにも乱暴です。当該病院の職員と患者さん、医療関係者、地域住民、そして仙台市は無視、置いてきぼりです。こういうやり方は本来行ってはいけないのではありませんか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 決まったものを順次出していきたいと思っていまして、ただ、これは当然ですけれども、東北労災病院と日本赤十字病院の了解を得たものではないと出せないということであります。ですから、まだ調整中のものについては出せない。では、どこで出すのかというタイミングですけれども、私としては、県民の代弁者である議員がいる議会の場でお話をすることが、一番親切、丁寧だと考えたということでございます。どこかで、いつか出さなければいけないわけですから、それはやはりここで。議場で出したということはそれだけ議会を尊重していると、大切にしていると、捉えていただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 本当に宮城県の村井知事の姿勢は、当事者無視が甚だしく、大きな問題です。こういうやり方そのものが県民的に大きな批判となっているのです。引き続き追及してまいります。 森林乱開発事業を規制できる条例にすべきについて伺います。林地開発許可が取り消される要件をお尋ねいたします。事業者側が虚偽申請をしていたことが発覚した場合などが当てはまると伺っておりますが、間違いないでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 条件は様々あると思いますけれども、虚偽申請ということであれば、そこは審査して、許可の取消しなどについて審査をするということになると思います。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 丸森耕野地区のメガソーラー事業は、刑法違反の贈賄事件まで起こして、罰金刑も確定しています。経済産業省は、FIT認定の取消しも視野に検討に入っています。虚偽申請よりも贈賄事件、たちが悪いと思いますが、林地開発許可の取消し、するべきではないのでしょうか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 残念ながらそういった事件はありましたけれども、虚偽の申請ではなかったということです。これについては、経済産業省とも、度々、何度も調整いたしまして、FIT認定の取消しもできないだろうかというようなことまで、いろいろ打合せをさせていただきましたけれども、残念ながらそれも難しいということでありました。県としては、本当にできる限りのことをやってきたつもりでございますので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) せめて林地開発の許可を一旦取り消して、再調査をすべきです。贈賄事件ですよ。当然です、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 林地開発の許可については条件がございまして、それらの条件をクリアすれば許可しなければいけないという状況になってございます。贈賄事件の話でございますが、国のほうでFIT認定の関係でいろいろ調査をしているところでございます。それで、先ほど申し上げましたような指導につながっているということでございます。我々としては、申請者の、申請書にある条件が合致したということでございますので、許可を出したということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 結局これだけ大問題になった贈賄事件で、罰金刑まで確定している、……………(五字削除)事業者も野放しにしているのが、村井県政です。他法令遵守違反があったときには速やかに経済産業省に通知する仕組みが不可欠です。窓口をつくるべきではありませんか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 我々が窓口になって、国と今連携して取り組んでいるということでございます。そういった事情が発生した際には、我々、速やかに国にお知らせする体制を整えているというところでございます。 ○議長(菊地恵一君) 十番大内真理君。 ◆十番(大内真理君) 今回の条例案の規制区域を適用した場合に、これまで林地開発許可を出してきた九十九か所のうち、今回の網の目にかかるのはたった三か所というお粗末さであります。規制対象区域は、せめて山梨県と同等レベルにし、県土の約六割の森林を守るべきと訴えて、条例案の改正を求めて終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午後零時九分休憩    午後一時十分再開 ○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。三十一番庄田圭佑君。    〔三十一番 庄田圭佑君登壇〕 ◆三十一番(庄田圭佑君) 自由民主党・県民会議の庄田圭佑でございます。通告に従い一般質問させていただきます。 大綱一点目、人口減少とどう向き合うかについて。 初めに、本県の少子化対策についてお伺いいたします。 知事は、今定例会の説明要旨で少子高齢化や人口減少への対応は一刻の猶予も許されない喫緊の課題である旨言及しておられ、二〇二〇年十二月に策定した新・宮城の将来ビジョンでも、二〇六〇年に県内総人口百七十二万人という高い目標を目指しながら、できる限り人口減少の幅を抑制できるよう取り組む、という極めて高い目標を掲げています。こうした高い目標を掲げることは大変評価できるものです。ところが、我々の想定以上に少子化が進んでいることが、先日厚生労働省が公表した二〇二一年の人口動態統計から明らかになりました。この統計では、出生数が八十一万一千六百四人と六年連続で過去最少を更新する一方で、死亡数は百四十三万九千八百九人と前年から六万七千人以上も増加し、出生数から死亡数を引いた自然減が六十二万八千二百五人の過去最多という大変ショッキングな数字が示されました。この出生数は、国立社会保障・人口問題研究所が二〇一七年にまとめた日本の将来推計人口における二〇三一年の出生中位推計とほぼ同じ値です。また、合計特殊出生率も一・三〇と依然として低く、今回の統計からは、想定よりも十年程早く少子化が進行し、人口減少に歯止めがかからない現状が改めて浮き彫りになりました。本県においても、出生数が過去最少の一万三千七百六十一人であり、死亡数はその倍近い二万五千八百九十七人と一年間で一万二千人以上の自然減となっています。また、合計特殊出生率も一・一五と少子化の流れに歯止めがかからない状況です。実際の県政運営に当たっては、このような想定以上の少子化による人口減少の実態を、政策の制度設計の前提となる各種計画や将来構想等に反映させる必要があると考えます。この点について、想定以上の少子化の影響をどのように考え、どう対応していくのか、お伺いいたします。 さて、少子化対策の議論で必ず話題に上るのが、合計特殊出生率であり、本県は東京都に次いで全国ワースト二位の状況が続いていることが問題視されてきました。しかし、真に実効性ある少子化対策を考えるに当たっては合計特殊出生率のみに着目することは適切ではないと考えます。なぜなら、合計特殊出生率の算出方法は、十五歳から四十九歳までの女性を分母としているため、若い世代の女性の人口比率が高い県ほど数値が低くなります。宮城県では、出生率が低い学生世代の女性の人口比率が全国平均を上回っていることから、数値が必然的に低くなります。女性の社会進出が進む現代社会において、学生世代の出生率向上の施策は現実的ではなく、またライフプランが多様化し、結婚・出産を望まない女性も増えてきております。そのため、実際に子供を望む女性の出生率を確実に把握し、政策効果が見えやすい数字に着目することが必要です。そこで、完結出生児数という数値に着目してはどうかと考えます。完結出生児数とは、結婚持続期間十五年から十九年の夫婦の平均出生子供数であり、夫婦の最終的な平均出生子供数とみなされる値です。我が国の婚外子の割合は、二〇一九年時点で二%程度であり、ほとんどが嫡出子であることから、完結出生児数に着目した政策展開は出産を希望する夫婦間の少子化の実態をより反映しているといえます。また、政策対象が明確なため、その効果も見えやすく限られた財源をより効果的に活用することができます。例えば、完結出生児数が人口置換水準二・〇七を上回っていれば、未婚者への支援を重点化すれば良いということになりますし、水準を下回っていれば夫婦への支援を更に強化すれば良いという判断ができます。そこで、本県の完結出生児数の推移をお伺いいたします。 また、完結出生児数を政策に活用することについて、考えをお伺いいたします。 さて、国立社会保障・人口問題研究所の第十五回出生動向基本調査では、夫婦が理想とする子供数は二・三二人であるにもかかわらず、実際に持つつもりの予定子供数は二・〇一人と低い状況が示されております。その主な理由は二つあります。一つは子育てや教育にお金がかかりすぎるという経済的理由、二つ目は高年齢で産むのが嫌だから・欲しいけれどもできないから、という年齢・身体的理由です。そして、妻の年齢が三十五歳未満の若い層の八割は経済的理由を挙げることが多く、一方、年齢が高くなると経済的理由は減り、年齢・身体的理由が増加します。乱暴な言い方ですが、この二つのポイントをカバーできる政策が実行できれば、完結出生児数は増える可能性が高いと考えられます。経済的理由に関しては、特に理想子供数が三人以上で予定子供数二人以上とする夫婦では、理想通りの子供を持たない理由としてお金がかかりすぎる、を挙げる割合が七割を占めております。三人以上の実現の支障として経済的理由が顕著であることから、第三子への経済支援強化が理想子供数に近づけるために必要な施策と言えそうです。本県では、第三子以降を対象に小学校入学祝い金等の支給を行う宮城県小学校入学準備支援事業を実施しておりますが、経済負担が増す中学以降の支援はありません。県は、第三子以降の中高生向けの支援事業創設をどう考えているのか、お伺いいたします。 次に、年齢・身体的理由に関しては、高齢化・妊よう性の低下が挙げられています。一般に、女性の妊娠出産適齢期は二十五歳から三十五歳と言われており、三十五歳以上になると妊娠率が一気に低下することが知られています。また、男性においても加齢により精子の数や運動性が低下することも分かってきています。仮に、二人以上の子供の出産を望むなら、逆算すると遅くとも二十代後半で結婚を現実的に意識する必要があると言えそうです。ところが、いずれ結婚を望む二十五歳から三十四歳の男女の三割近くが、まだ結婚の必要性を感じない、自由さや気楽さを失いたくない、と回答しております。こうした晩婚化、晩産化が進む世の中の流れを変え、出産を望むのであればできるだけ早く結婚を現実的に意識するよう促すことが必要と考えます。本県では、二〇一六年より本格的に結婚支援に取り組み始め、昨年度からはAIを活用したマッチング事業みやマリ!をスタートさせております。県のこうした結婚支援の事業成果について、お伺いいたします。 みやマリ!の登録者の年齢層を伺ったところ、二十代が約一割にとどまり、三十五歳以上が六割以上を占めているとのことでした。これでは、早期の結婚に結びつくとは言い難い状況であります。そこで、希望する人にはできるだけ早い段階で結婚・出産を現実的に意識してもらうために、例えばAMH検査、卵巣予備能検査の実施を促すことを提案いたします。この検査は、発育過程にある卵胞から分泌されるアンチミューラリアンホルモン値から卵巣内に残っている卵子数の目安を測定するものです。卵子の数は加齢とともに確実に減少するうえに、減少の速度は年齢以上に個人差も大きく、見た目が若くても二十代、三十代で閉経する場合もあり、いざ子供が欲しいと思ったときに卵子がないということが起こり得ます。AMHが表すのはあくまでも卵子の推定残数であり、卵子の質の良し悪しや妊娠率を測るものではありませんが、AMHの値を早期に知ることは結婚・出産を希望する女性が現実的なライフプランを設計する上で極めて有用であると考えます。ただ、この検査は一般的にはあまり知られておらず、結婚後、不妊治療の段階で初めてAMHを測定する方が多いとのことです。そのため、もっと早い段階でAMH検査を行えるようにする方策が必要です。こうした点を踏まえ、結婚、出産を希望する女性に対してAMH検査を健康診断のオプション検査として導入し、その費用の一部を補助する制度を創設してはどうかと考えます、知事の考えをお伺いいたします。 さて、国立社会保障・人口問題研究所の調査では、第一子が三歳になるまでの間、母親が子供の祖母からの日常的な、頻繁な手助けを受けた場合や子育て支援制度・施設を利用した場合、平均出生子供数が高くなる傾向が示されております。特に、妻が就業を継続する場合には、母親からの手助けに加え、制度・施設が重要な役割を果たしていることが分かっています。このことから、母親が子育てにワンオペとならず、多様な主体が子育てに参画しやすい環境構築が出生数増加につながるものと考えられます。県職員について見るに、本県では出産や子育てに関する特別休暇が導入されておりますが、妻が育児時間休暇やこれに類する休暇を取得している場合には男性職員が育児時間休暇を取れません。また、男性職員の育児参加休暇は職員の妻が出産する場合に産前産後八週間の中でしか取れず、もっと積極的に育児参加しやすい休暇制度への見直しが必要と考えます。また、こうした休暇の対象者は子の両親に限られており、祖父母や叔父、叔母などの多様な主体が子育てに参加できる制度とは言い難いものです。本県での育児時間、男性職員の育児参加休暇等について、多様な主体が子育てに参加しやすいよう休暇の対象者を見直すなど制度再編が必要と考えます。県の考えをお伺いいたします。 今回は、少子化対策について、婚活・妊活・子育てとそれぞれの段階における視点で質問してきましたが、これらにより社会全体が出産・子育てを歓迎する雰囲気になることが、出生数増加につながるものと考えております。知事は、先月二十七日に「子ども・子育てを社会全体で支える宮城を実現します!」とベビーファースト宣言を発出しております。この宣言は、公益社団法人日本青年会議所が進める子育て世代が子供を産み育てたくなる社会を実現するための運動に賛同し、発出されたものです。この宣言により、宮城県全体の子育て支援環境の改善が期待されるところです。子供・子育てを社会全体で支える宮城の実現に向け、ぜひ知事の思いをお聞かせください。 次に、四病院再編についてお伺いいたします。 知事の選挙公約とはいえ、この問題を巡っては県政を分断する状況にあることから、しっかりとした情報開示に基づく議論を重ねることが、県民から負託を受けた我々の果たすべき使命であると認識しております。私自身は、人口減少社会の中で持続可能な医療提供体制を構築することは極めて重要であると認識しております。国立社会保障・人口問題研究所の推計値では、二〇四五年までに県民の人口が約五十万人減少するとのデータが示されており、今の医療資源を維持しようにも人口が減少する中での病院経営が困難を極めるのは火を見るよりも明らかです。人口減少という与件を変えられない限り、将来にわたり適切な医療資源を維持するためには、常に見直しをしていくことが必須だと認識しています。この点を踏まえると、再編の検討を否定する必要はないと感じています。とはいえ、現段階においては、何が最適解か分からないまま移転ありきの話が一人歩きしている感も否めません。県の姿勢としては、住民理解を深めるために、これまで以上に丁寧な説明と再編の検討に活用した資料、情報を可能な限り公開していくことが必要です。例えば、これまでの検討経緯、各病院の置かれている状況、圏域ごとの将来推計人口、患者の属性、救急搬送データなどの資料、情報が考えられます。こうしたものを出した上で丁寧に進めないと、住民合意を図ることは極めて難しく、拙速に議論を進めては仙台市民や病院関係者の理解を得られないものと思います。一方で、老朽化が著しい精神医療センターについては、一日も早く新病棟を稼働させることが、入院患者やその御家族、働く皆様には喫緊の課題であると認識しております。これらを踏まえ、今回は特に移転候補地が私の地元至近かつ建て替えが急務である精神医療センターに的を絞り、移転に伴う影響と将来を見据えて求められる機能等についてお伺いいたします。 昨年九月に再編の枠組みが公表された際に、県は仙台医療圏、そして県全体の医療政策の課題解決を目指すとして、救急、周産期、災害、感染症などの各分野の課題解決とともに身体合併症への対応を含む精神科救急の対応力強化を目指す考えを示しました。今回の再編の取組については、移転候補地を中心に地域で安心して暮らす上で期待の声も大きい一方、懸念や不安の声があるのも事実です。こうした中、四病院再編については先月様々な動きがありました。まず、十七日には再編議論のたたき台となるデータ分析の調査委託先を日本経営グループに選定しました。また、二十七日には新病院の建設候補地について、名取市及び富谷市から知事に提案があり、県立病院の再編検討の与件が整い、本格的な検討・協議がスタートすることとなります。仮に、県立名取病院時代から六十五年もの長きにわたり歴史を積み重ねてきた精神医療センターが富谷市に移転した場合、これまでの議論でもありましたが、名取市内のグループホームで暮らされている精神医療センターの患者さんへの影響を懸念する声も聞かれます。また、現有地から遠くなる新病院に継続して通院することの負担の大きさを指摘する声も聞こえております。このような精神医療センターの移転に伴う懸念や不安の声、指摘される課題などもある中で、県は精神医療センターと東北労災病院を合築して富谷市への移転が最適とした理由について、改めてお伺いいたします。 宮城県立精神医療センターの今後のあり方に関する報告書では、建て替えについて「早急に建替に着手できる場所であること、県民の利便性の向上、救急を行う上での交通アクセスが良いこと、身体合併症への対応のため、近隣の一般病院との連携体制等を勘案して決定すべきである。」との記載があります。近隣の総合病院との連携という点で移転を検討するなら、現有地から大きく移動せずに名取市内で仙台赤十字病院と連携することでも課題解決につながると考えます。精神医療センターの富谷市への移転を考えた積極的な理由は何かあるのか、お聞かせいただきたいと思います。 また、これまで労働安全衛生法の逐次改正を受け、事業所でのメンタルヘルスケアの教育研修・情報提供、ストレスチェックの義務づけなど、以前と比べれば働く世代の精神科医療に関する理解は進んできているものと認識しております。それでも、精神疾患に対する勘違いや誤解は依然として根強く、精神科医療については十分な理解が進んでいるとは言い難い状況です。こうした状況を踏まえ、病院の移転には、移転先の地域住民の方々の理解も重要と考えます。精神医療センターが移転する富谷市及び隣接する仙台市泉区の住宅地の住民の方々はどう受け止めているのか、お伺いいたします。 その一方で、長きにわたり地域に根差した取組を展開してきた精神医療センターが市外へ移転することについて、名取市民の方々から反対の声は出てはいないのでしょうか、お伺いいたします。 これまでの議論の中でも、精神医療センターとグループホームなどの支援施設との連携が取り上げられています。また、新聞等でも精神医療センターと支援施設との連携により患者の生活を手厚くサポートしていることが紹介されておりました。こうした関係構築は一朝一夕には難しいものですが、名取市内のグループホームについて、県は施設の状況や患者の実情をどのように認識しているのか、お伺いいたします。あわせて、精神医療センターが移転した場合、グループホームに暮らす人々の影響をどのように考え、どのような対応が必要と考えているのかお伺いいたします。 この大綱の終わりに、厚生労働省では二〇二五年度をめどに高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的の下で、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制である地域包括ケアシステムの構築を推進しています。精神医療センターにおいても、二〇一七年度の入院患者の年齢状況をみると、六十代、七十代以上の割合が約四割となっており、今後の更なる高齢化も踏まえれば、精神科医療においても患者が地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを推進することが時代の趨勢と考えます。これまでグループホームが担ってきた機能は、精神障害に対応した地域包括ケアシステムの推進に大きな役割を担ってきたものと思います。また、精神医療センターの中期計画においても、重症度等に応じた多職種によるチーム支援・訪問支援や認知リハビリテーションなどのより治療効果のあるリハビリテーションを展開することにより、地域生活支援体制の充実・強化を図り、患者の地域移行・地域定着を推進することが目標に掲げられています。このように精神疾患を抱えている方々が地域で暮らす環境を整えていくために、県は精神医療における地域包括ケアシステムの在り方をどのように考えているのか、また、精神医療センターはどのような役割を担うべきと考えているのか、お伺いいたします。 大綱二点目、デジタル化の更なる推進に向けてについて、お伺いいたします。 これまでも、議会質問の中でキャッシュレス決済やRPAの活用、チャットボット導入の話など、デジタル技術の活用による利便性向上、業務効率改善について質問を重ねてまいりました。私が理想とするデジタル化の姿は、県民の皆様が様々な手続をスマホ一台で完結できるというものです。知事も「人口減少に立ち向かう対策の一つとして、デジタル技術の活用が大きな役割を果たすものと期待している。」と発言しており、デジタル化の取組を更に進めていくことは、職員の負担軽減のみならず、県民の利便性が向上し県政への満足度向上に資するものと考えます。昨年七月からは、県有施設の利用予約のオンライン申請がスタートし、少しずつではありますが、着実にデジタル化が進んでいると感じてきているところでもあります。一層の利便性向上には、様々な行政手続がオンライン化されることを望むところであります。現在、本県が窓口で行っている各種申請・届出手続について、オンライン化の対象となり得る業務は一体どの程度あるのか、また、その導入時期をどのように考えているのか、お伺いいたします。あわせて、オンライン化の対象とならない業務はどの程度あるのか、その理由について、お伺いいたします。 昨年度からは、自動車税のスマホ納税が可能となり、利便性が向上した一方で、県有施設でのキャッシュレス決済はまだ不十分です。県内では、既に仙台市や白石市で一部の窓口でのキャッシュレス決済の利用がスタートしております。本県でもキャッシュレス決済を更に進めることが利便性向上に必要です。県は、県有施設でのキャッシュレス決済導入についてどのように考えているのか、今後の展開も含めて、お伺いいたします。 本県において、デジタル分野のパイオニアともいえるのが、医療分野におけるMMWIN、みやぎ医療福祉情報ネットワークです。MMWINは、東日本大震災の津波で診療情報が流失した経験から、医療機関、介護福祉施設や保険薬局などで扱われる診療情報や介護福祉情報などを電子化し、遠隔保存・共有することを可能としたネットワークです。コロナ禍にあってはネットワークの利点を最大限に生かし、宿泊療養施設での検査情報を県医療調整本部及び往診担当医等と共有し、速やかな入院調整につなげた活用実績もあり、このネットワークには無限の可能性があると言っても過言ではないと考えております。例えば、神戸市では、個人の医療・介護・健診等のデータを個人ごとにまとめたヘルスケアデータ連携システムを活用し、個人の要介護リスクを予測するAIモデルを開発する事業がスタートしています。これは、個人が特定できる情報を削除し、匿名化した情報を基に、市民三十八万人分の二〇一五年度から二〇二四年度までの計十年間分のデータを基に、医療情報や介護情報、健診情報など約三千項目の時系列データを分析するものです。この例のように、MMWINを単なるネットワークとして運用するのではなく、蓄積されたデータを県の各種施策に活用することが、EBPMの観点からも求められると考えます。MMWINのデータを活用した施策展開について、県の考えをお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問といたします。御静聴ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 庄田圭佑議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 大綱一点目、人口減少とどう向き合うかについての御質問にお答えいたします。 初めに、少子化の影響に対する所感と今後の対応についてのお尋ねにお答えいたします。 宮城県の合計特殊出生率は、近年全国下位の水準にとどまっており、先日公表された結果につきましても人口減少を更に加速させ、我が県の将来に深刻な影響を及ぼすものと非常に強い危機感を抱いております。新・宮城の将来ビジョンでは、子供・子育て分野を独立した柱と位置づけ、今年度からは次世代育成・応援基金も活用しながら、全庁を挙げて、結婚、妊娠・出産、子育ての切れ目のない支援に取り組んでいるところであります。県といたしましては、こうした取組の進捗状況や社会情勢の変化などを的確に捉え、新ビジョンの実施計画等を柔軟に見直しながら、より効果的な施策を推進してまいりたいと考えております。 次に、県職員の休暇制度の見直しについての御質問にお答えいたします。 子育てに多様な主体が参画し協力し合うことは、少子化対策において大変重要であると認識しております。このため、我が県においても育児休業制度に加え、特別休暇制度として妊娠出産に関わるもののほか、男性職員の育児参加休暇、育児時間、子の看護休暇などを設け、仕事と子育ての両立支援を行っているところであります。また、親以外の職員や、親であっても特別休暇制度の要件に該当しない場合などは、年次有給休暇の活用なども有効な選択肢と考えておりますが、今後更なる環境づくりに向けて、現行制度についても職員の一層の取得促進を図るとともに、制度全体のバランスにも配慮しつつ、より利用しやすい仕組みとなるよう検討を進めてまいりたいと思います。 次に、子供・子育てを社会全体で支える宮城の実現に向けた私の思いについての御質問にお答えいたします。 私は、急速に進行する少子化に強い危機感を抱き、「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を政策の柱に据えるとともに、今年度から次世代育成・応援基金を創設し、結婚支援や子育て支援に更に強力に取り組むことといたしました。そのような中、日本青年会議所が提唱する子育て世代が子供を産み育てたくなる社会を実現するためのベビーファースト運動が全国展開され、先月、我が県でも、子育て支援を進める県民運動と子供を産み育てやすい社会環境づくりを柱とする宮城県ベビーファースト活動宣言を行ったところであります。まさに子育て世代の青年会議所の皆様が主体となって、県内企業・団体へ子供を産み育てやすい環境づくり運動を働きかけると伺っており、今後の展開に大いに期待しているところであります。県といたしましても、こうした活動に呼応しながら、子育て支援パスポートや結婚応援パスポートの協賛店舗拡大や普及、店舗や事業所への授乳室設置など、私が先頭に立って子育てしやすい環境づくりを進めることで、機運の醸成に更に取り組み、「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」の実現に向けて邁進してまいります。 次に、精神医療センターと東北労災病院を合築し、富谷市へ移転することが最適な理由についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターは、築四十一年が経過し、施設の老朽化が著しく、個室化への対応もできていないことから、一日も早い建て替えが必要な状況であります。また、身体症状を伴う患者への対応のため、総合病院との連携強化が課題となっております。富谷市は、県の中心に位置し、県全域から精神科救急を受け入れるのに適しております。また、東北労災病院との合築による新病院を整備することで、身体症状を伴う患者への対応も含め、県全体の精神医療の体制強化につながるものと期待しております。再編を実現することで、救急、精神医療、災害医療、感染症対応など地域の課題や全県的に対応が必要な課題の解決も視野に、新病院の実現に取り組んでまいります。 次に、精神医療センターの富谷市への移転を考えた積極的な理由についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターは、全県にわたる精神科救急医療や児童思春期精神科医療を提供するとともに、地域への移行や定着の推進に取り組み、県南部において特に大きな役割を果たしてまいりました。将来に向けては、県の高度精神医療を担ってきたセンターとして、精神科救急医療や児童思春期精神科医療について、全県を視野に充実を図っていくことが求められております。これに加え、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築や災害時の精神科医療体制の確保、更には研修機能の充実にも県全体で取り組んでいくことが求められております。このため立地場所は重要であり、県央に位置する富谷市は、東日本大震災以降の道路ネットワーク整備状況なども踏まえると、県内各地からのアクセスも良く、新病院の整備場所として最もふさわしいと考えたものでございます。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱二点目、デジタル化の更なる推進に向けての御質問のうち、行政手続のオンライン化についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、みやぎ情報化推進ポリシーに基づき、時間や場所に制約されず、手続を可能とする行政手続のオンライン化の取組を進めております。オンライン化の更なる推進を図るに当たり、今年二月オンライン化の効果が見込まれる年間処理実績が三百件以上の手続百七十六業務について、対応状況や今後の対応方針等の調査を実施いたしました。その結果、対応済みのものが十八業務、市町村を経由する申請であることを理由にオンライン化に適さないものが三十二業務、添付書類の電子化や押印廃止が困難などの理由から未対応のものが百二十六業務となっております。このうち未対応の業務については、困難理由の解消が図られたものから順次オンライン化を導入していくこととしております。 次に、県有施設でのキャッシュレス決済導入についての御質問にお答えいたします。 県では、昨年度から、県有施設のうち利用者件数の多い十施設において、みやぎ電子申請サービスを利用し、オンライン化による施設利用予約を開始しております。施設利用料のキャッシュレス決済については、県民サービスの一層の向上を図るためにも推進が必要と考えており、現在、部局横断型の検討チームを設置し、課題の整理などを行っております。県といたしましては、今後、利用者ニーズを把握するとともに、施設の指定管理者の運営状況も踏まえながら、キャッシュレス決済導入に向けて取組を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、人口減少とどう向き合うかについての御質問のうち、我が県の完結出生児数の推移と政策への活用についてのお尋ねにお答えいたします。 完結出生児数は、結婚持続期間が十五年から十九年の間の夫婦の平均出生子供数を表し、夫婦の最終的な子供数とみなされるものであり、厚生労働省でおおむね五年ごとに発表しております。調査対象は、全国で約一千二百組、東北地区では約百組となっており、都道府県単位での数は明らかにされておりません。最新の数値である二〇一五年では、全国で一・九四人で、近年は減少傾向にあります。東北地区は一・八一人でありますが、二〇〇五年には全国が二・〇九人に対して二・四〇人と高かったことに比して、近年は低下傾向が顕著であります。完結出生児数のデータからは、全国の傾向として子供の数は二人が半数以上でありますが、一人っ子も増えてきていること、結婚時の妻の年齢が若いほど子供の数が多くなること、などが分かりますが、このことは、我が県の結婚支援や子育て支援などの政策にも活用できるものと認識しております。 次に、第三子以降の中高生向け支援事業創設についての御質問にお答えいたします。 県では、少子化対策の推進及び子育て世帯における経済的負担の軽減を図るため、小学校に入学した第三子以降の子供一人当たりに三万円を上限として、市町村が保護者に入学祝い金などを支給する場合に、半額を助成する独自事業を全国に先駆けて平成二十九年度から実施しております。この事業は、県内全市町村で実施しておりまして、昨年度には約四千万円を補助したところであります。御提案のありました第三子以降の中高生向け支援事業は、中学校入学までの期間が長いことを考えますと、子育て世帯の経済的負担軽減の効果としては小学校入学時の支援事業が効果があるものと考えております。 次に、みやぎ結婚支援センターみやマリ!の事業成果についての御質問にお答えいたします。 県では、結婚を希望する方を支援するためAIマッチングシステムを導入した結婚支援センターを昨年九月に開設し、十一月からマッチングをスタートいたしました。今月一日時点で会員数が約一千八百人。AIによるお相手紹介件数が約三万一千件、お見合い実施が約一千六百組、交際成立が約七百組、成婚実績は今月二十日時点で十二組二十四人となっており、一定の成果が現れているものと認識しております。今後も市町村と連携しながら会員数増加に向けた事業周知や出張登録会の開催など、結婚を希望する方への支援に努めてまいります。 次に、AMH検査の費用補助についての御質問にお答えいたします。 早い段階から、妊娠・出産の正しい知識を持ち、将来を考えながら、日々の生活や健康に向き合うことを促す取組は大変重要と認識しており、県では高校や大学でライフプランセミナーを開催しております。また、AMH検査、いわゆる卵巣予備脳検査の実施につきましては、例えば不妊に悩む方の治療方法選択のために行われており、不妊治療の中で行う検査は保険適用の対象となっております。御提案のありました早い段階でのAMH検査の実施については、個人によるばらつきがあるものの、AMHの減少は三十歳代以降で現れてくるとされていることから、若い世代に結婚や出産を促すことにつながるかどうかの課題があるものと考えております。 次に、県立精神医療センターの移転に当たり、富谷市等の地域住民の受け止めはどうかについての御質問にお答えいたします。 精神科医療はもとより、病院の移転には地域住民の理解は重要であると考えております。先日、富谷市長から新病院の整備候補地の提案をいただきましたが、基本合意の中で整備場所を位置づけることができましたら、それ以降地域への説明について対応してまいります。精神科医療については、メンタルヘルス、認知症、依存症、発達障害など県民に身近で重要な分野となってきておりますことから、地域に受け入れられるよう丁寧に説明してまいりたいと考えております。 次に、精神医療センターが移転することについて名取市民の反対の声はどうかとの御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターは、県立名取病院の時代を含め六十年にわたり、現地に根差した病院運営を行ってきており、名取市からは市内での整備の御要望をいただいておりました。昨年九月に四病院の統合・合築の考え方を公表して以降、仙台医療圏市町村長会議において、名取市長からは精神医療センターの早期建て替えや東北労災病院と合築して一般病院との連携強化及び精神科救急体制の強化を図るという県の方針についても理解するとの意見をいただいております。市民の方々に様々な声があると思いますが、移転の必要性の説明に努めてまいりたいと考えております。 次に、名取市内のグループホームの状況に関する県の認識と精神医療センターが移転した場合の影響についての御質問にお答えいたします。 県立精神医療センターを利用する方が入居する名取市内のグループホームは、今年三月現在で五施設であり、そこに入所している利用者二十九人のうち、同センター通院者は二十人と伺っております。これらの方々には、グループホームと精神医療センターの密接な連携の下、通院と訪問看護等による手厚い支援が施されており、精神医療センターが民間の精神科病院では難しいバックアップ体制を取ることで、これらの患者の方々を支えてきたものと認識しております。今後、精神医療センターが移転した場合、センターが担ってきた機能をどのように確保していくのかが課題と考えております。県といたしましては、患者や家族の方々が必要なサービスを継続して受けられるよう地域の医療機関との連携や人材育成にも取り組みながら、できる限りの配慮に努めてまいります。 次に、精神科医療における地域包括ケアの在り方と精神医療センターの役割についての御質問にお答えいたします。 精神科医療において、地域包括ケアの理念やその推進については、他の診療科と同様に重要であると認識しております。県立精神医療センターでは、昭和三十二年の県立名取病院開設以来、長い時間をかけてグループホーム等の社会資源との連携体制が築かれ、通院外来や訪問看護がきめ細やかに行われてきました。県といたしましては、精神医療センターが名取市で構築してきた地域包括ケアの体制づくりなど、今までの経験を生かして県内どの地域においても機能するよう環境を整備していくことが大切であると考えております。そのため、精神科医療の地域包括ケアの全県的な推進に必要な医療機関の機能分担や協力体制の強化に向けて、精神医療センターが役割をしっかりと果たすべきであると考えております。 次に、大綱二点目、デジタル化の更なる推進に向けてについての御質問のうち、MMWINのデータの各種施策への活用についてのお尋ねにお答えいたします。 MMWINは、二十八万人の患者情報を持つ全国有数の医療ネットワークであり、県全域における診療情報の共有のほか、その特性を利用して新型コロナウイルス感染症対策にも活用されるなど、県としても非常に有用性が高いものと評価しております。また、診療情報や診断画像、調剤情報などのMMWINの各種データは、医療のみならず健康管理や生活情報との連携など更なる活用の可能性があると考えております。県といたしましては、神戸市の事例も参考にしながら、引き続き各種施策への活用方法について検討を行うとともに、更なるネットワーク利用の促進に向けMMWINの事業主体と連携した取組を進めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 三十一番庄田圭佑君。 ◆三十一番(庄田圭佑君) ありがとうございました。再質問させていただきます。順番が逆になりますけれども、二点目のデジタル化のMMWINの件でちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。今、神戸市を参考にしながらも検討していきたいという答弁だったわけでございますけれども、このMMWINをつくるときに県からも補助金というかお金が入っているのですよね。やはりこのデータを最大限に活用するということは非常に有用でありますし、県が補助をしたということもあるので、これを活用しないわけにはいかないと私は考えております。そうした中で、検討を行うということでありましたけれども、具体的にどのぐらいの期間をかけて検討して、いつぐらいにその方向性を見いだしていただけるのか。まだそこまで至っていないのかもしれませんけれども、確認させていただきたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 今は、具体的にいつまでに検討というタイムスケジュールを持っているわけではありませんけれども、DXを活用した県の取組として地域住民の方にメリットが出るような施策を、県庁全体で取り組んでいるところでありますので、少しでも早くそのような事業化に結びつくよう検討したいと思っております。 ○副議長(外崎浩子君) 三十一番庄田圭佑君。 ◆三十一番(庄田圭佑君) デジタル庁のほうもEBPMを推進する検討部会があって、その中で、政策展開にEBPMが必要ですよという話をしているわけでございます。まさにバックボーンになる膨大なデータがMMWINでありますから、これを活用しないわけにはいかないと、繰り返しになりますが、そう思っているわけでありますので、ぜひこれはできるだけ早いタイミングで県の施策に落とし込めるよう考えていただきたいと思っております。重ねて、また同じ大綱二点目になりますけれども、キャッシュレス決済、全庁横断で課題分析をしていますというお話でございましたけれども、これもいつぐらいまでに見通しがどうなのかというのをちょっと確認させていただきたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 企画部長千葉章君。 ◎企画部長(千葉章君) キャッシュレス決済の導入についての御質問ですけれども、現在、課題として、会計システムの改修関係が指定管理者のほうで必要になってきます。それから、収納サービスということで手数料の問題、そういった大きな問題が二つございまして、それらをいろいろ検討しながら進めているところでございます。それで、実際システム改修などということになれば、なかなかすぐ進めるというわけにもいかないのですが、できるだけ早く導入したいと考えております。 ○副議長(外崎浩子君) 三十一番庄田圭佑君。 ◆三十一番(庄田圭佑君) できるだけ早くという答弁でありました。実際に自動車税も既にスマホ決済というか、スマホアプリで納税できるようになっておりますので、例えば、県有施設にQRコードを貼っておいて、そこに金額を入力してピッとすればすぐに払えるような体制ができるのだろうと。ただいまおっしゃった手数料の問題は、自動車税でもあって、普通に金融機関に行くと手数料がかからないのに、スマホ決済だと四百円ぐらい取られるなど、行く手間を考えれば四百円というのは安いのかもしれませんが、やはりまだまだいろいろな壁があるというのは私も承知しているところでございます。とにかく、県民の利便を向上するという観点においては、キャッシュレス決済を推進していくってことは極めて有用だと。繰り返しになりますけれども、そのように思っておりますので、ぜひしっかりと議論を進めていただいてできれば今年度ぐらいにある程度目星をつけていただけると非常にありがたいのかなと思いますので、これは要望とさせていただきたいと思います。 それで、大綱一点目に戻りますけれども、本県の少子化について質問させていただきました。完結出生児数は都道府県別に出ていないということでございまして、ぜひ県の様々な子育て支援あるいは出産の支援とか婚活支援の成果が分かりやすくて見えやすい完結出生児数というものを、県独自で出してみてはどうかと思うわけでございます。これは、大体国勢調査のタイミングに合わせて国が取っているようなものでございまして、なかなか五年ごとだと細かく把握することが難しい数値だと認識しております。県で取るのはなかなか難しいというお話もあるかと思うのですが、それこそ今出たDXの話でグーグルのFormSなどを使えば簡単に情報を集約できるわけでございますので、県独自にこの完結出生児数を取ってみてはどうかと思うのですが、知事の考えを伺いたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 議員から非常に貴重な御提案をいただいたと思っております。今回の合計特殊出生率の速報などが出ておりますけれども、人口動態統計における合計特殊出生率の分析の中でも、実際に女性の方がまずどのぐらい結婚するかの有配偶率、それから有配偶者の中でどれぐらい出生するかという有配偶者の中での出生率、その二つの指数をもって分析するということをやっております。今申し上げた後者のほうの有配偶者の方がどれぐらい出生するかということが、議員御提案の完結出生児数と趣旨が似ていると思っております。したがいまして、完結出生児数ということで調査することは引き続き検討したいと思いますが、まずは、今申し上げました人口統計の中での分析を活用しながら対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(外崎浩子君) 三十一番庄田圭佑君。 ◆三十一番(庄田圭佑君) 人口動態統計を活用するというお話でありましたけれども、質問の中でもお話しさせてもらったのですが、人口の構成比によっては、女性の比率によっては、高く出たり低く出たりするわけです。やはりもう少しつまびらかにしっかりと数値を捉えていくということが必要だということで、今回完結出生児数を提案させていただいたわけでございます。これも引き続き、政策の中に活用していく、あるいは県独自で取っていくということを検討していただきたいと思います。AMHのお話をさせていただきました。若いほうが高いと先ほど答弁があったと思うのですが、決してそういうことでもなくて、大体いろいろな統計の、AMHの数値があって、その平均値より高いか低いかというのは分かるわけで、低ければ残りの卵子の数が少ないだろうという推計ができるわけでございます。実際に、私と同じ三十代の女性の方でも、もう卵子がなくなってしまったという方が結構身近にいらっしゃいまして、子供が欲しくても子供がつくれないという方がいるというのが実態でございます。ぜひ早期にこうした値を知っていただくということが……。全員に結婚しろなどというつもりは全くありませんけれども、結婚とか出産を望む女性にとっては非常に重要な数値なのかなと私は考えております。その点をしっかりと皆さんに把握してもらう、希望する人に把握してもらうということを結婚前の段階で考えてもらいたい。そういう思いで今回、例えば健康診断のオプション検査に入れてはどうかという質問をさせていただきました。なかなか皆さんにもまだ理解が進んでいないところでもありますので、健康診断のオプション検査に入れているところ、どこもないのですよね。ぜひ、福祉の村井と言われる村井知事でございますので、他県に先駆けてこうしたAMH検査、健康診断のオプション検査の中に入れるということに取り組んでいただきたいと思いますけれども、知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 正直申し上げて、今回質問があるということで昨日レクを受けて、初めてこのAMH検査について私自身知ったということでありますので、女性であってもこのAMH検査について認識のある若い方はおそらくかなり少ないのではないかなと思います。先ほど部長から答弁いたしましたけれども、早い段階でということですが、AMHの値が減ってくるのは三十歳ぐらいから、三十歳前後でということで、先ほど紹介された方も三十歳を超えた方でゼロになってしまったということで。ですから、若いうちにやっても、平均値より高いか低いかというのはあるのですけども、多少低くても大きく低いということはないと思いますので、それによって子供を産もうという動機づけにすぐつながるかどうかということはよく検討する必要があるかなと思っております。また、現在、不妊治療であれば、保険適用の対象となっておりますけれども、一般的にやるということになりますと、これは全部県費負担ということになりますので、優先順位としてそれが非常に優先順位が高いのかどうかということを含めて検討してまいりたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 三十一番庄田圭佑君。 ◆三十一番(庄田圭佑君) 是非検討していただきたいと思います。それで、四病院の件でございますけれども、日本経営グループに委託をするということが決まったというわけでございます。仮に仙台市から具体な場所の提案があった場合に、その検討の中に乗せる可能性があるのか、日本経営グループに委託している、調査委託先のシミュレーションの一つのシナリオとして、仙台市から何か提言があればそういう調査の分析の中に入るのかどうか、これだけ最後に確認させてください。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) それは当然検討の中に入ってきます。 ○副議長(外崎浩子君) 十六番わたなべ拓君。    〔十六番 わたなべ拓君登壇〕 ◆十六番(わたなべ拓君) 太白区選出のわたなべ拓でございます。議長のお許しをいただきましたので、以下大綱五点につき、一般質問をいたします。 本日は、沖縄戦慰霊の日です。七十七年前の本日未明、沖縄防衛にあたる第三十二軍司令部が陥落しました。牛島満陸軍大将をはじめ、陸海軍将兵約十万人が米軍との戦いで戦死し、島田叡沖縄県知事以下、約十万人の県民が、米軍の無差別攻撃により亡くなられました。本県からも、作間正助陸軍砲兵中佐以下、五百八十二名が沖縄戦で戦死され、そのうち百名は陸海軍特別攻撃隊でした。沖縄戦で散華された先人の御霊に対し、謹んで哀悼の誠をささげます。 さて、四病院再編構想に関して、名取市が提案した新病院建設候補地が、県公表の最大級の津波浸水想定で浸水域に入っているとの地元紙報道がありました。県の浸水深データによると、候補地東側が一メートルから三メートル、南側が三十センチから五十センチの浸水想定となっています。現地を視察しましたが、東側の植松入生仮設住宅跡地は、周辺の田んぼとほぼ同じ標高で、そのほかは一・五メートルほど高く造成されています。候補地は、無償提供を基本とするとのことですが、この上地盤工事を要するとすれば、多額の追加費用が発生します。県として、名取市の当該土地取得を財政的に支援することはあり得るのか、伺います。 現地は、増田川と川内沢川に挟まれており、津波だけでなく、内水氾濫のリスクもあります。国土交通省が運営する「重ねるハザードマップ」によれば、当該箇所は後背低地・湿地とされ、この地形の自然災害リスクとして、「河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い。地盤が極めて軟弱で、地震の際は揺れが大きくなりやすい。液状化のリスクが大きい。」と評価されていますが、土壌の液状化など地盤リスクについて、どう評価するのか伺います。 仮にこれらの課題が解消されるとして、今回の名取市提案の土地には、隣接する聖和学園の野球場が含まれていません。これも含めると、病院用地は更に大きく取ることが可能となります。そうすれば、県立がんセンター、仙台赤十字病院に加えて、近隣の県立精神医療センターも加える余地が生まれます。あるいは、県立がんセンター、県立精神医療センターと、近隣のJCHO仙台南病院との再編には、親和性があるとの仙台市医師会長の意見もあります。現在築二十四年のJCHO仙台南病院の将来的移転先としても、検討してみる余地がありましょう。後世の検証に耐え得る検討内容とするためにも、再編のシミュレーションは幅広く実施しておくべきであります。 仮に名取市提案の植松入生地区の地盤に関する課題がなお残る場合には、当初案であった県立がんセンター隣地への移転についても、再検討すべきであります。調査会社の日本経営グループの調査事項には、県立がんセンター隣地への赤十字病院移転、あるいは県立精神医療センターの移転も検討すべきと考えますが、当局の所見を求めます。 移転先の問題以前に、仙台赤十字病院の移転の背景・意図が、地域に全く伝わっていません。客観的に見て、移転の必然性が一向に見えてこないのであります。県発表の救急搬送のデータに関するエビデンスはどうなのか。病院移転がもたらす周産期医療、精神救急医療への影響と補完可能性はどうか。仙台医療圏における急性期から回復期への病床転換の踏み込んだ検討、各種医療機関の機能の見直しによる地域医療の連携システムの具体像など、丁寧な議論が必要です。こうした医療当事者との丁寧な議論を通じて、各アクターの対応の具体化と、あるべき全体像の共有を図り、当事者としての納得感を醸成していくのが、本来の在り方ではないでしょうか。単なる移転統合ありきではない丁寧な議論を通じたアプローチの道がなお残されている、との仙台市の医療提供体制に関する懇話会の指摘は、正鵠を射ています。仙台市、仙台市医師会、医療経済学の専門家、地域ケア専門家、患者たちの声に耳を傾け、彼らとともにテーブルに着いてデータを共有し、県がリーダーシップを執って最善解へと向けて虚心に議論すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 ロシアによるウクライナ侵略戦争からは、非戦闘員たる一般国民を対象とした容赦のない武力攻撃という、悲惨な現実を思い知らされます。我が国は、ロシア、チャイナ、北朝鮮という核武装した侵略的懸念国家群を隣国とする、悪夢のような地政学的環境にあり、北朝鮮による弾道ミサイル発射が相次ぐ中で、こうした懸念国家の武力攻撃から、国民・県民をあくまで守り抜くための施策が急務であります。知事は、国民保護法百四十八条第一項に基づき、武力攻撃事態等に際して、住民避難・救援のため、あらかじめ避難施設を指定しなければなりません。その際の留意事項として、爆風等からの直接の被害を軽減するための一時的な避難に活用する観点から、コンクリート造り等の堅牢な建築物や地下街、地下駅舎等の地下施設を指定するよう配慮すべきことが、国民の保護に関する基本指針に明記されています。私は、前職の仙台市議会議員時代、今からちょうど五年ほど前の六月の議会におきまして、北朝鮮からの弾道ミサイルが着弾した際の爆風からの一時退避施設の必要を念頭に、全国の二十政令指定都市で初めて、仙台市地下鉄南北線・東西線構内の収容人数について質問しました。仙台市は当時、一人当たり一平米として約二万七千五百人と答弁しましたが、本年三月八日に、仙台市は、仙台市地下鉄の地下駅舎二十四駅と東西自由通路を、大規模地下緊急一時避難施設に指定しました。しかるに、令和三年四月一日現在の内閣官房の資料によれば、仙台市を除く本県の緊急一時避難施設のうち、地下施設はなんと二か所にすぎません。ちなみに、政令市の存在しない山形県の地下施設は、既に三十か所が指定済みであります。仙台市指定分を除く、本県の現時点の指定済み地下施設数を伺います。 武力攻撃事態の際に、県民をミサイル攻撃などの爆風から守るために有効な地下施設を備える県有施設を、全県的に割り出すべきであります。また、公的施設だけでは、二百三十万県民の収容は不可能です。地下駐車場など地下施設を有する民間施設管理者との間で、緊急一時避難施設として地下施設指定の同意を得るための相談は、具体に進めているのか、伺います。 本県には、女川原発が立地しており、有事の際に武力攻撃の目標になり得ます。本来的には、核シェルターなどNBC攻撃に対応できる避難施設が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 JR南仙台駅の連続立体交差、いわゆる鉄道の高架化は、三十年来、地域の悲願でありました。累次にわたる地元中田地区四町内会連合町内会長連絡協議会の要望にもかかわらず、実現に至りませんでした。このたび、地域住民有志からの陳情を受けて調べたところ、行政当局の説明に重大な瑕疵があったことが分かりました。要望のたびに、仙台市からは、一キロメートル当たり百三十億円とも試算される多額の事業費が最大の課題だと説明され、住民側は、こんな多額の事業費では無理かと、連続立体交差化を絶望視してきたのであります。しかし、国土交通省の連続立体交差事業の資料を見れば一目瞭然ですが、具体の負担割合は、鉄道事業者一割、残りの九割のうち五五%は国、四五%のみが地方自治体の負担であります。なお、四五%の自治体負担部分についても、九割は起債対象となり、そのうち二〇%は後年度に交付税措置されます。したがって、一般財源で措置すべき額は、一キロメートル当たり五億円ほどになります。起債部分、すなわち将来負担分は四十二億円ほどとなるものと認識しますが、連続立体交差事業の自治体負担額につき、当局の所見を伺います。 以上の事実を町内会関係者・地域住民に伝えると、「だまされた。」「全く実現可能性の印象が異なる。」と反応が一変し、日に日に南仙台駅の連続立体交差化を求める機運が高まっております。南仙台駅の所在する中田地区の人口は六万人ほどで既に塩竈市の人口を超えており、南仙台駅の利用者は一日二万人と、JR管内では同じ太白区内で既に連続立体交差化を果たしたJR長町駅よりも実は利用者が千人ほど多く、本県で四番目に利用客の多いJR駅でありますが、駅東側にしか改札がなく、西側からの利用客は線路をまたぐ自由通路で一旦東側まで行き、駅構内で再度仙台方面のホームへと逆に昇降するなど、多大な不便を強いられているのであります。同駅南北四か所の踏切は、慢性的な渋滞をもたらし、緊急車両の通行にも支障が出ています。東日本大震災では、駅北側の中田西浦踏切で貨物列車が立ち往生し、約二週間にわたり通行不可となりました。二〇一四年からの直近八年間における同駅付近の鉄道事故死者は、十一名の多数に上り、鉄道交通安全上も深刻な被害状況であります。南仙台駅と東北本線が中田地区を東西に分断していることで、地域の開発は数十年遅れております。これらの諸課題を一掃する唯一の方法が、連続立体交差化による踏切除去であります。南仙台駅の連続立体交差化は、制度の立てつけ上は、都市計画を所管し道路管理者でもある仙台市の責任において実施するのが通常であると認識していますが、肝心の仙台市において住民に対し必要な行政行為を行わない場合に、県としてあくまで政令市の権限を尊重するのみで、政令市の不作為による住民の不利益を看過していてよいものでしょうか。仙台市民は、すなわち宮城県民の四八%を占める最大の集団です。仙台市民の個人住民税所得割の納税額は千二百十億円に上り、そのうち二〇%に当たる二百四十二億円が県税となり、本県県税収入の四〇%を占めるのであります。法制度上、仙台市域における連続立体交差事業に、県として参画することを禁じる規定はありません。政令市の自治は尊重しつつも、県市連携の形で、広域自治体たる県として、政令市の施策から取り残された県民の利益を保護し、公益を実現する余地はあると考えます。知事は、郡和子仙台市長とは何でも話せる間柄だと公言しました。それならば、知事から郡市長に県市連携で南仙台駅の連続立体交差化実現の御提案をいただけないものでしょうか。知事の御英断をなお御期待申し上げ、所見を伺います。 名取市道熊野堂-柳生線が昨年十二月に開通したことで、国道二八六号と南仙台駅西側がつながりました。沿道では、大規模ショッピングモールの立地も予定され、道路開通による周辺地区開発が見込まれます。惜しむらくは、この道路は、南仙台駅西側で止まっていることであります。駅の東側からは、もう間もなく国道四号に直線でつながっており、南仙台駅を高架化することで駅を東西に貫通できれば、国道二八六号と国道四号を名取川以南で結節する東西の一大交通軸が出現し、中田地区の東西分断は解消され、積年の課題であった国道四号の交通渋滞の解消にも資するのであります。広域交通ネットワーク拡充の観点から、真の公益を実現するため、仙台市と県とでまずは勉強会などを設け、県市連携による都市計画・交通ネットワーク修正の課題について、率直に意見交換する余地はないのでしょうか。当局の所見を求めます。 本年四月から新設された新教科の歴史総合では、日本史と世界史の横断的理解を目的としています。これに伴い、教科書会社七社中五社の新教科書が、本県県立高校で採択されました。山川出版社が十九校と最多で、以下、実教出版が十校、第一学習社が四校、帝国書院・東京書籍が二校でしたが、中でも、仙台二高、石巻高校、白石高校、古川黎明高校など進学校で使用されている実教出版の教科書の内容が気にかかりました。実教出版の教科書は、我が国の来し方を一貫して否定的・消極的に評価する内容と評さざるを得ません。日清戦争に関しては、我が国に割譲された台湾について、少数原住民の抵抗を、わざわざ「近年、台湾征服戦争と呼ぶ」などと超少数説のみを取り上げ、他社教科書はおろか、台湾の教科書にすら載っている、我が国の先人が台湾近代化に果たした数々の偉大な功績は一つも取り上げておりません。第一次大戦後のパリ平和会議に際して、ウィルソン米国大統領が唱えた民族自決を取り上げるものの、欧州の白人にしか適用されず、米英の植民地統治や人種差別的政策に不都合だったため有色人種には適用されなかった事実を見落としており、更には、日本国全権代表の牧野伸顕による世界初の人種差別撤廃提案については、全く触れていません。また、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害に際して、ユダヤ人を保護し避難を支援した外交官杉原千畝や陸軍中将樋口季一郎などの事績が紹介されていないのであります。また、犠牲者数や戦争犯罪の重みにおいて比較にならない三十万人もの犠牲者を出した広島・長崎に対する原爆投下や、十万人の犠牲者を出した東京大空襲に関する記述よりも、日本海軍による局地的攻撃である中国重慶爆撃の記述のほうが詳細にわたるなど、同胞の犠牲者よりも反日国を主とするようなありさまであります。沖縄戦や満州の悲劇については、旧日本軍による局地的な巻き添えや事件だけが強調され、直接加害者である米軍や旧ソ連軍による非戦闘員たる民間人を対象にした無差別虐殺・性的暴行には、言及がありません。一貫して欧米の植民地主義、人種差別政策、旧戦勝国の戦争犯罪には奇妙なまでに甘い一方で、我が国の世界に対する積極的貢献面は無視あるいは軽視し、自国を一方的に断罪する内容で一貫しておるのであります。実教出版の教科書は、明成社やそれに準じる山川出版社、帝国書院などのバランスの取れた記述内容とは対極的な内容であり、率直に、このような自虐的な教科書で自国の否定的な面だけを強調して教えられる生徒たちが、かわいそうでなりません。また、このような問題の多い教科書を、現場の教員はどのような理由で選定したのか疑問が残ります。本質的には、国の教科書検定制度で是正すべきことではありますが、教科書検定制度が十分に機能せず、問題のある教科書が存在するとの学問的評価と指摘は、後を絶ちません。評価について議論のある教科書を採択した場合には、本来的には、何ゆえその教科書なのかを外部に対して説明する責任があると考えますが、各県立学校における教科書選定委員会から校長決裁、採択審査委員会、教育長専決に至る現状の教科書採択プロセスには、民意が反映される仕組みがありません。歴史総合教科の教科書は、十八世紀以降の近現代以降の我が国と世界の歴史の交錯を近代化、大衆化、グローバル化のテーマを巡って追体験し、現代との連関を主体的かつ多面的に認識するための土台となるものであります。我が国の先人が世界史のうねりの中で選択してきた来し方を、多面的に評価することができる歴史認識が培われるのかどうかについて、オープンな対話が必要であります。教育現場で教育に当たる教員の見立て、希望を尊重すべきことは大前提としても、こうした社会的要請を参酌する必要があると考えますが、当局の所見を伺います。 五月十一日に、経済安全保障推進法が成立しました。今月十三日には、県警主催で、経済安全保障を考える会議が開催されました。ロシアや中国など懸念国に対する機微な情報や技術の流出は、懸念国の軍事技術向上と軍事的プレゼンス増大をもたらし、我が国の主権を脅かす遠因になっております。ところで、本年三月八日に、本県とも包括連携協定を締結した東北大学ですが、中国の国防七大学と協定校の関係にあることは、あまり知られておりません。国防七大学とは、中国の軍需企業を管理する国家国防科学技術工業局に直属し、卒業生の多くが国有の軍需企業や人民解放軍に就職する、中国の軍事研究機関ですが、七大学のうち実に四大学が、東北大学と協定校の関係にあるのであります。習近平政権の推進する両用技術を国防分野に積極的に生かす軍民融合政策と整合する動きであり、国防政策上、憂慮すべき事態であると言わざるを得ません。二〇一九年八月には、国防七大学の一角、北京理工大学と東北大学工学研究科との間で協定が締結され、部局間協定校となったわけであります。二〇一九年といえば、前年の二〇一八年には米国でファーウェイやZTEが中国共産党との関係を問題視されて米国政府調達から排除され、我が国でも、中国による情報や技術流出のリスクを懸念する報道がしきりにされていた時期に当たるわけであります。国立研究開発法人科学技術振興機構のポータルサイトによれば、北京理工大学は中国共産党が創立した最初の理系大学で、国防分野の高級科学技術人材を育成する重要拠点と明記されています。こうした懸念すべき大学に対して、東北大学は、昨年六月から八月にかけて、東北大学の学生を対象に、北京理工大学オンライン短期プログラムを募集し、実施しています。アカデミアにおける安全保障に関する認識は、極めて甘い現状にあると言わざるを得ません。今回の県警主催の経済安全保障会議の参加者は、東北経済産業局や県の担当者に限られていたようでしたが、今後は大学、研究機関など、アカデミアにも会議に加わっていただき、安全保障リスクについて認識の共有を図るべきと考えますが、当局の所見を伺います。 また、県警は、先端技術の海外漏えいを防ぐアウトリーチ活動の取組を強化していますが、アカデミアと機微技術に関する事業者、情報通信や電力、水道など十四分野の重要インフラ関係事業者に対して、集中的にアウトリーチ活動を実施すべきと考えますが、当局の所見を伺います。 さて、庁内でウェブ会議を行う際は、県が主体の場合のウェブ会議ライセンスはWebexであるところ、県が外部のウェブ会議に招待され参加する場合には、特に制限はないとのことです。例えばZoomの招待も受けているわけですが、Zoomについては、中国における監視や不正な情報流出事例が国内外から報告されています。順次セキュリティーが強化・修正されてきたとの発表もありますが、中国との関係はなお不透明であります。本県として、情報安全確立のためにも、Zoomを用いた外部招待のウェブ会議につき対策を要すると考えますが、当局の所見を求めます。 以上、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) わたなべ拓議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず大綱一点目、四病院再編・名取市提案移転候補地と、最大級の津波浸水想定についての御質問にお答えいたします。 初めに、県として、名取市の土地取得を支援することはあるのかについてのお尋ねにお答えいたします。 名取市から提案のあった整備候補地については、名取市が責任を持って取得し、病院用地として提供することとされております。新病院を整備する際には、造成などの費用が見込まれますが、基本的には建設を担う運営主体が負担することになるものと考えております。 次に、地盤のリスクに関する認識についての御質問にお答えいたします。名取市から提案された土地につきましては、名取市が公表しております名取市浸水想定区域図、いわゆる内水ハザードマップによれば、内水により発生する浸水が想定される区域とはされておりません。同じく市が公表しております名取市地震防災マップにおいては、地盤の液状化の影響を含めてどの程度の建物被害が生じるかが示されておりますが、最も危険度の低い区分の地域となっておりました。県といたしましては、新病院の整備候補地の検討においては、地盤を含め、最大震度、液状化の予測、浸水想定、津波浸水などの災害リスクを評価する視点は重要と考えていることから、委託業務でしっかりと調査を進めてまいりたいと思います。 次に、移転の背景が伝わっておらず、医療当事者との全体像の共有や納得感の醸成に向け、県が率先して対応すべきとの御質問にお答えいたします。 今回の再編は、県が提案した検討の方向性について、日本赤十字社が理解して参画しているものであります。日本赤十字社としては、仙台医療圏を中心とした政策医療に主体的に力を発揮したいという意欲を示しておられますが、同時に、少子化や主要病院の移転の動向などを背景とした、経営的な課題もあるものと受け止めております。地域の方々はもちろん、医療当事者の方々にも理解をいただける最適解に向けて、協議をしっかり進めてまいります。 次に大綱三点目、JR南仙台駅の連続立体交差化についての御質問のうち、南仙台駅の高架化による交通軸の整備について、仙台市との率直な意見交換を始めてはどうかとのお尋ねにお答えいたします。 仙台都市圏の広域的な道路ネットワークについては、仙塩広域都市計画区域マスタープランにおいて、仙台市を含む関係市町村の意見を十分に聞きながら策定をしており、個別の都市計画道路の事業化に当たっては、市町村と協議を行いながら対応しているところであります。県としては、今後も様々な場面で機会を捉え、今回提案のあった交通軸を含めた広域的な道路ネットワークについて、仙台市をはじめとする関係市町村と、引き続き意見交換を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。    〔復興・危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱二点目、シェルター・避難施設指定についての御質問のうち、仙台市以外における指定済みの地下施設数についてのお尋ねにお答えいたします。 国民保護法に基づく避難施設の指定については、都道府県知事または指定都市の長が行うこととされており、我が県では、現時点で仙台市指定分が二百二十八か所、県指定分が千二百四十四か所、合計で千四百七十二か所となっております。このうち、地下施設につきましては、仙台市指定分が二十五か所、県指定分が二か所となっております。 次に、地下施設を有する民間の施設管理者との法律上の同意に向けた取組状況についての御質問にお答えいたします。 避難施設は、有事の際、避難住民の速やかな受入れなどを求められることから、県では、まずは県や市町村の所管施設を中心に指定を進めてきたところでございます。このうち、爆風被害の軽減等に有効とされる地下通路や、地下駐車場などの地下施設については、我が県の場合、十分な避難スペースが確保できる公共の施設が少ないことなどから、特に仙台市以外の地域での指定が伸び悩んでいる状況にあると認識しております。県では、これまで市町村に対し、他県の指定事例を紹介するなど、地下施設の重要性に関する情報を発信してまいりましたが、今後は、民間施設も含めた、指定対象となり得る施設の把握を一層進めるなど、安全性の高い避難施設の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、核シェルターなど、NBC攻撃にも対応できる避難施設が必要ではないかとの御質問にお答えいたします。 国民保護法においては、学校などの既存施設の活用を念頭に、都道府県知事または指定都市の長が避難施設の指定を行いますが、防護性や気密性などに優れた、より高度な機能を備えた施設の調査・研究・整備促進については、費用対効果の観点等から、政府が担うこととされております。昨今の国際情勢を踏まえますと、今後、核シェルターなど、NBC攻撃にも有効な施設整備に対する議論の高まりも予想されることから、機会を捉えて国との情報交換等を行ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱五点目、経済安全保障についての御質問のうち、Zoomのセキュリティー対策についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、新型コロナウイルス感染症対策や業務の生産性・県民サービスの向上を図り、職員の働き方改革を推進するため、ウェブ会議を活用しております。ウェブ会議サービスにおいては、過去にはパスワード設定の不備など、セキュリティー上の問題が指摘されておりましたが、現在では、Zoomをはじめ各サービス提供事業者により、通信の暗号化や会議開催時のパスワード設定などのセキュリティー対策が行われております。県といたしましても、ウェブ会議実施要領を策定し、機器の使用や会議の参加方法、情報漏えい防止対策などを定め、安全性を確保しております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、四病院再編・名取市提案移転候補地と最大級の津波浸水想定についての御質問のうち、精神医療センターやJCHO仙台南病院を加えた移転も検討してはどうかとのお尋ねにお答えいたします。 今回の再編は、仙台医療圏、更には県の政策医療の課題解決を図るため、必要な医療機能を備えるとともに、地域医療のために貢献しようとする病院の設置者との間で検討を進めるものであります。また、廃止についても、救急医療や災害医療などの医療体制の向上に向けて、最もふさわしい場所と考えているものです。 次に、がんセンター隣接地への仙台赤十字病院あるいは精神医療センターの移転を検討してはどうかとの御質問にお答えいたします。 県立がんセンター西側の隣接地については、かつて県立精神医療センターの移転候補地として検討を進めておりましたが、事業認定、開発許可、農振除外及び埋蔵文化財調査などの行政手続が必要となり、造成に着手するまでに長期の時間を要することから、老朽化が更に進んでいる現時点では、整備場所としては難しいものと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱三点目、JR南仙台駅の連続立体交差化についての御質問のうち、地方負担額への認識についてのお尋ねにお答えいたします。 連続立体交差事業の負担割合は、国土交通省が定めている、都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱などにより、政令市である仙台市が行う場合は、鉄道事業者が約一割、残りの九割のうち国が五五%、仙台市が四五%となります。当該事業は、鉄道を連続的に高架化・地下化することで複数の踏切を除去し、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化により都市の活性化を促進する事業であることから、受益者である仙台市が負担することについては、妥当であると認識しております。 次に、県市連携による事業化の提案についての御質問にお答えいたします。 JR南仙台駅には、県道仙台岩沼線及び県道南仙台停車場線が接続しておりますが、当該路線は、政令市である仙台市が道路管理者となっております。県といたしましては、連続立体交差事業は、駅周辺の道路の渋滞緩和や良好なまちづくりに資する事業であると認識しておりますが、JR南仙台駅の事業化については、道路管理者である仙台市が総合的に判断し決定するものと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、高校歴史総合教科書選定についての御質問にお答えいたします。 学校において使用する教科書は、適正な教育内容の維持や、教育の中立性の確保などの要請に応えるため、文部科学省の検定に合格した教科書から選定することとされております。県立高校の教科書については、まず、県教育委員会において、採択に係る基本方針や基本的・基礎的知識技能の習得に対応できるか、自主的・主体的な学習を促すように配慮されているかなどの採択基準を定めております。各高校では、これに基づき、自校の教育課程や実情を踏まえ調査・研究を行い、生徒の学力を伸ばすために最もふさわしい教科書を選定し、県教育委員会に報告することとしております。県教育委員会では、全ての教科書及び各高校の教育課程について調査・研究を実施した上で、外部有識者を交えた教科書採択審査委員会において、各高校の採択希望の妥当性について公正に審査し、その結果を踏まえて各高校の教科書を採択しているところです。これらは、毎年度検証しながら行っているものであり、今後も、生徒たちの確かな学力の育成に向けて、公正かつ適正な教科書採択に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 警察本部長猪原誠司君。    〔警察本部長 猪原誠司君登壇〕 ◎警察本部長(猪原誠司君) 大綱五点目、経済安全保障についての御質問のうち、安全保障上のリスク認識の共有についてお答えいたします。 世界各国が重要技術の獲得にしのぎを削る中、先端技術の流出防止対策は極めて重要であると認識しており、県警察では、技術流出防止対策の更なる取組強化を図るため、宮城県警察経済安全保障推進会議を開催したところであります。この会議は、県警察の担当者に対して、何をするべきかを徹底するためのものでしたが、今後、大学・研究機関などアカデミアを含め、経済安全保障について認識の共有を図るための様々な取組を行っていきたいと考えております。 次に、企業に対するアウトリーチ活動についての御質問にお答えいたします。 県警察においては、技術流出防止対策として、流出実態の解明及び取締りに加え、その手口や有効な対策のノウハウを企業・研究機関等に情報提供するという、アウトリーチ活動に取り組んでおります。アウトリーチ活動は、我が国の国益を害するような技術情報の流出等をしっかりと防いでいくという観点から、重点的・集中的に行っていくべきものと考えております。今後も、様々な企業・研究機関等に対するアウトリーチ活動を推進し、技術情報の流出防止に努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 十六番わたなべ拓君。 ◆十六番(わたなべ拓君) るる答弁いただいたところであります。まずは前向きな方から。 警察本部長から、しっかり情報安全等々留意していただけるということで、来年、法改正でセキュリティークリアランスの導入を目指すということを政府において言及しておりますし、また、現状でスパイ防止法が先進国で唯一ないと。極めて取締りの抗拒に欠いているような難しい状況でありますから、こういうところでできることはまずもってその被対象者--この場合ではアカデミアですけれども、アカデミアの認識をまずしっかり高めていただくということですよね。ですので、そういった取組をこれからしっかりやっていただくということです。大学側の回答は、実は今協定校からの具体の学生の流れは止まっているんだけれども、コロナ明けにはやはり再開せざるを得ないと。なぜなら協定があるから、ということなんですね。よく御案内のとおり、国防七大学の学生というのは、一党独裁軍事覇権国家から、しかも軍需企業や人民解放軍の直接の意を迎えてくる連中なわけですから、どういう身分の人が来るかは分からない。ここまで言っておきますけれども。そういう人たちが厳然として入ってきてしまうということになるんですね。なおのことしっかり留意していただきたいと思います。 もう一つですけれども、シェルターについて、本質的には国の問題だということをよく承知の上で伺っております。ただですね、知事に伺いたいのは、やはり先ほど来、各議員から出ていますけれども、教育の村井とか福祉の村井という言葉は、私は聞いたことが正直あまりないのですが、やはり危機管理の村井というのは看板だと思うんですよ。安全保障・危機管理の村井というのは表看板なのだから、これに背馳しないような、しっかりとした取組をお願いしたいのです。地下施設の避難施設への指定というのは、知事の権能ですよ。知事が指定しなくてはいけないのです。ところが、先ほどの部長の答弁ですと、市町の反応が鈍いと言わんばかりの言い方でしたけれども、それは違うのではないですかね。やはり県においてリーダーシップを執らないと駄目ですよ。国際状況がこれだけ緊張しているのだから、地下避難施設はきっちりと県において割り出す努力をしっかりすべきです。そういった形で県がサポートすべきだし、あとは民間とも交渉を一層進めるなんて言っていましたが、私裏を取っておりますけれども、全然始めていないですよね。そんな話なかったはずですよ。うそをついたのと一緒です。要するにそういうことですよ。私はここまでにしておきますけれども、法で認めるような制度の議論はしていませんよ。私きちんと裏取っていますからね。これから前向きにしっかり生かしていただきたいと思います。 続いて、まずいろいろ言いたいことがあり過ぎて困っているのですが、歴史総合の教科書ですね。教育は、未来に対する最大の投資と言われますから、やはり教育からにしたいと思うのです。私が言いたいのは、かなり問題のある教科書が出てきてしまっているぞと。具体には、私の価値判断からすると実教出版が、学習指導要領において指摘されている多面的・多角的な表現を取るべきであるというような構成に十分なっていないのではないかと。だとしたら、それは私が既に申し上げたように、国において教科書検定制度をしっかり精度を上げる。今機能不全になっているという指摘もあるのだから、これを実効性のあるものにしていく。これが第一弾だとしてもですよ。現状、そのプロセスを経て宮城県の子供たちが問題のあるかもしれない教科書で学んでしまっているという現実があるのです。これを県としては、国において検定を通っているものであるからと。また、県においても既存のプロセスがあるのだから、それで対応しますと。これで済ませておいてよいわけがないんですよ。今私が問題だと思うのは、我々の未来を担う子供たちが、問題のあるかもしれない教科書で学んでいながら、事実上それを傍観してしまっているということなのです。民意を差し挟む余地がないんですよ。当局からきちんと資料もいただいています。しっかり議論もしているのですが、校内教科書選定委員会から教育長の専決までで、一度だけ外部性を踏まえる機会が、採択審査委員会。この構成員に外部有識者という人がいると。これはどういう背景を持つ人なのでしょうか。伺います。 ○副議長(外崎浩子君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 今お話しのとおり、教科書採択審査委員会に外部有識者の方に入っていただいています。外部有識者の方は、教育学を専門に研究している大学の先生でございまして、複数名で文系・理系、それぞれを専門とする人物を選定するということで取り組んでいるところでございます。 ○副議長(外崎浩子君) 十六番わたなべ拓君。 ◆十六番(わたなべ拓君) 有識者でも必ずしも分からないことがあるんですね。子供たちは教育を受けた後、社会に出ますよね。経済界の有識者はなぜ招聘しないのか。また、保護者はどうして招聘しないのか。しっかり勉強している人たちがたくさんいるんですよ。私、この七社全て目を通しました。大体学習指導要領に即してしっかり多面的・多角的な構成にしてあります。実教出版については私が指摘したとおりであります。非常に一面的な記述になっていて問題のある構成だと思いますので、これに対してしっかり物を言えるような構成になるべきだと思います。ここは見直しということを教育長も答弁でされていましたけれども、運用改善を促したいと思いますが、どうですか。 ○副議長(外崎浩子君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) この新しい学習指導要領に基づいて、歴史総合という教科書を採択するのは今年度から導入されていることでございます。お話のとおり、新しい学習指導要領でとても重要なのが、探究的な学びということで、一つの考え方ではなくいろんな考え方を、自分でそれを調べながら学びを進めていくということになりまして、これまでのように教科書を全部丸暗記するだとか、あるいは先生の言うことをノートに書いてそれを覚えるとかではなく、やはり自分で調べ自分で考え、そして同級生たちといろいろ意見交換をしながら学んでいくということが本当に重要になってくる中で、資料の配置ですとか、どういう資料が適切に配置されるかということが今回結構重視されて選ばれてきたのかなという印象がございます。ただ、お話のとおり、やはり本当に子供たちにとってどういう教科書がいいのかということは、毎年毎年しっかりと検証しながら考えていくことが大事だと思います。高校の場合は、毎年度検証して採択をするということになりますので、いろんな観点を踏まえて、子供たちのためにふさわしい教科書が採択できるように、引き続き取り組んでまいりたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 十六番わたなべ拓君。 ◆十六番(わたなべ拓君) 教育長から一定程度前向きな御答弁があったと思います。ただ一言言っておきますけれども、本県で校内教科書選定委員会から教育長の専決に至るまでのプロセスで教科書が差し戻された、現場の判断が差し戻されたという件はなかったと認識しています。果たして実効的なチェックになっているのかどうかということも、ある一つの参考になるかと思いますから、そういった面も鑑みて、実のある改善をしっかりしていただきたいと思います。 続きまして、政令市との関係であります。太白区にある南仙台駅の高架化、鉄道の高架化、連続立体交差事業であります。これについては、仙台市から非常に一面的な情報のみ伝えられていて、実現可能性について非常に悲観していたと。ただ、先ほど来訴えたように、どうもそういうものでもないらしいと。また新たな可能性も見えてきたと。知事、笑われますけれども、私本気で言っているんですよ。県民の四八%を占めるのは仙台市民で、多大な負担をして税収の面でも県に多大な貢献をしているわけですよね。仙台市も全て否定するわけではないんです。いろいろな事情、政策上の優先順位があってこうなっているんだろうけれども、郡市長も、五月二十四日に「二十二年度中に南仙台駅の利用実態調査をしっかり実行して、それで検討する」ということを言及し出しました。ただ、これまでの経緯を見ると意図的に数字をミスリードしていたとも思えるようなことを繰り返してきたということで、やはり、そうしたら誰の出番なのか。村井知事の出番だと思うのです。仙台市民は村井知事を頼るしかないではないですか。郡和子市長がああいう人だったらやはりそうするしかないのではないですか。何でも話せる知事の出番なんですよ。知事も先ほどおっしゃいましたけれども、「仙塩広域都市計画区域の整備」というものがありましたね。これは六市四町一村を含む広域の都市計画をしっかり見直そうじゃないかと。そこで具体に言及されているのです。国道二八六号・国道四号を広域的交通ネットワークとして有機的に連接することをしっかり考える。重点項目として捉える。これは十一ページにあります。ほかにも「広域避難・輸送ネットワークの形成の方針」というところで、国道四号など広域的な幹線道路を中心として広域避難・輸送ネットワークの形成をしっかり作っていくということを、県と仙台市で連携してやっていくということをうたっているんですよね。こういった面もしっかり留意して、知事にできることがまだあるんだということを言いたいのですが、どうですか。取り残された仙台市民のために頑張っていただけませんか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) わたなべ議員の熱い思いはひしひしと伝わってまいりました。ただ、もちろん県が仙台市の道路に関して一切協力しないというつもりもなく、例えば東道路、今検討を始めておりますけれども、これは非常に巨額なお金がかかるので、仙台市だけにお任せするのはいかがかということで、それについては県も応分の負担を考えるべきではないかということで……まだ動いていないので細かいことまでやっておりませんが、そういう話はさせていただいているのですけれども、今御指摘の道路につきましては、そこをどうということになるとあれもこれもということに当然なってきて、県も仙台市以外の道路の要望が物すごくありまして、それも十分需要に応じていないという状況ですので、仙台市は政令指定都市で相当力があるところでありますから、まずは御自身でやっていただいて、我々は仙台市以外のところを大変ですけれどもしっかりと対応していくということで役割分担しておりますので、その点については御理解いただきたいと思います。仙台市長とは、本当に何でも気軽に冗談も言える間柄ですけれども、ことお金に関しましてはお互いシビアな関係でございまして、県が頼んでも仙台市も「はい」とはなかなか言っていただけないような状況でございますので、これはやはり財政の責任ある者として、簡単に首を縦に振るわけにいかないということも御理解いただきたいと思います。お気持ちは十分伝わりました。 ○副議長(外崎浩子君) 十六番わたなべ拓君。 ◆十六番(わたなべ拓君) まさにそうでありまして、やはり区々たる所管にかかわらず、真の公益の実現のために県市連携をぜひともよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(外崎浩子君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時一分散会...